2023.03.09

キャンプメディア「hinata」がECで躍進 インスタUGCをMDにも活用

vivit 新規事業部 大久保健吾マネージャー(左)、バイヤー 佐々木萌氏(右)


キャンプ・アウトドア情報メディア「hinata(ヒナタ)」を運営するvivit(ヴィヴィット)は2020年11月、キャンプ用品のECサイト「hinataストア」を開設した。コロナ禍のキャンプブームの追い風を受けて立ち上がったECサイトだが、少し熱が収まりつつある2022年も勢いは衰えない。2022年12月期のEC売上高は、前期比204%と倍増している。急成長の背景には、インスタグラム(インスタ)を活用し、メーカーやユーザーとコミュニケーションを深める取り組みがあった。メディア企業ならではの新規性の高い商品開拓や、その商品を広めるためのコミュニケーション術について、新規事業部の大久保健吾マネージャーや、バイヤーの佐々木萌氏に聞いた。



未知のキャンプ用品を発掘


――「hinataストア」の強みは?

大久保:キャンプ・アウトドア情報メディア「hinata」を起点に、キャンプ場検索サービス「hinata spot」やアウトドア用品のレンタルサービス「hinata レンタル」を展開しています。2020年11月には、キャンプ用品のECサイト「hinata ストア」を開設しました。

キャンプやアウトドアを取り扱うメディア企業ですが、ただ情報を発信するだけではなく、ユーザーに行動を起こしてもらうところまでをサポートするのが、私たちのゴールだと考えており、レンタル事業やスポット事業、ストア事業などキャンプをするのに必要なサービスを立ち上げてきました。

「hinata」はキャンプ初心者から中・上級者まで幅広い読者がターゲットです。初めてキャンプを楽しむ方のキャンプ場選びから、キャンプ用品のレンタルまでをサポートしています。「hinataストア」では、中・上級者がこだわりのキャンプを実現したり、少し違いを出したりするために求めているような、あまり他のショップでは取り扱っていないアイテムの販売に力を入れています。


▲「hinataストア」

佐々木:キャンプではあまり使われていなかった職人が作った逸品や、日本ではあまり出回っていない海外メーカーの商品をいち早く紹介し、「hinataストア」から人気に火が付いたアイテムが多数あります。メディアの力も活用し、新しい商品やユニークな商品を広く発信し、販路として「hinataストア」を活用していただいています。

例えば新潟で包丁などを製造している馬場長金物さんが、アウトドア向けに鉈(ナタ)を開発しています。その「BABACHO 多喜火鉈」という鉈を、焚き火の薪を割るのに適した商品として取り上げさせていただきました。

これまで蒔き割りに使用していた斧だと女性は扱いづらく、持ち運びも大変でした。「多喜火鉈」は小振りでケースも付いていて、価格も1万円を切っています。これは革命的な商品だと思い、「hinataストア」でも販売させていただくと、大ヒットとなりました。再入荷してもすぐ売り切れになってしまうほどの人気で、「hinataストア」の2021年はこの商品にだいぶ支えられました。ブランドとしての人気も高まり、多くの販売店さんも取り扱うようになっています。

大久保:本当にお薦めできる商品の情報を集め、自分たちの知見を生かして編集し、お客さまに紹介することを心掛けています。「hinata」と連携した情報発信にも注力しており、相互にユーザーの獲得や送客に取り組んでいます。


▲大久保健吾マネージャー

――商品数はどのくらいありますか?

佐々木:2020年の前半は30SKUくらいしかありませんでしたが、その年の後半から取扱商品を増やしており、月間で200SKUくらい商品を増やしていました。半年間ぐらい毎日、新商品を発売していました。今では2000SKUくらいの取り扱いがあります。

商品の取り扱いを広げる中で「私たちが欲しいと思っても売れないもの」や、逆に「私たちが微妙かなと思っても売れるもの」などを知ることができました。今では「hinataストア」に来るお客さまが求めているもの、実際にどういうアイテムを使うのか、などを考えて、商品を選別しながら、慎重に仕入れをしています。


▲バイヤー 佐々木萌氏

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