2022.12.06

コロナ禍で行われたシーボン.のDX サロンスタッフも巻き込んだ戦略の全容とは?

シーボン.のマーケティング戦略課 稲葉理子マネージャー(左)、Web事業部 青木里織部長(右)


化粧品メーカーのシーボン.は、サロンを通して商品とアフターケアを提供することで、顧客のスキンケアニーズに応え、成長してきた。コロナ禍には、サービスの強みであるサロンを全店休止しなければいけない事態に陥った。その窮地を救ってくれたのが、フェイシャリストと呼ばれるサロンのスタッフと、シーボン.をこよなく愛する顧客だったという。サロンで培った資産をどのようにECサイトに活用したのか、スタッフや顧客の声を生かす際の工夫などについて、Web事業部の青木里織部長と、マーケティング戦略課の稲葉理子マネージャーに聞いた。



サロンの価値高めるDX推進


――サロンで行うデジタル化の取り組みとは?

青木:サロンではフェイシャリストと呼ばれる当社のスタッフが、フェイシャルケアの施術や、商品選びや使い方のアドバイス、専門機器を用いた肌チェックなどを提供しています。

お客さまが化粧品を自宅でご使用いただくホームケアと、サロンでのフェイシャルケアなどのアフターケア(サロンケア)を提供し、お客さまをより早く、より美しくしていくサービスを強みとしています。

サロンでの体験価値を高め、ホームケアにも生かせるようにする取り組みとして、肌をチェックできるオリジナル機器「ビューティログアドバイスナビゲーター」を導入しています。肌の現状を把握し、データを元にお手入れのアドバイスを行うサービスは好評を得ています。

肌の撮影データは、スコア化したチャートや画像で確認ができる他、肌のキメの状態は、スマホやウェブサイトのマイページからも確認ができます。肌状態を可視化し、その改善度などをお客さまが確認できる環境をデジタルで実現することにより、当社の製品やサービスの満足度向上につながっていると思います。


▲Web事業部 青木里織部長

――サービス面だけではなく、運営面でのデジタル化の取り組みは?

青木:顧客管理においてもデジタル化を進めています。もともと顧客データは一元管理しており、お客さまが全国のどのサロンでもご利用いただける環境を提供していたのですが、お客さまのパーソナルデータを記入した「顧客カルテ」は、店舗ごとに紙で管理していました。

1年半程前に「顧客カルテ」の電子化に着手し、タブレット端末でも確認できるようにしたことにより、お客さまとの会話の中で得たさまざまな情報まで共有することができるようになり、よりご満足度の高いサービスの提供が適うようになりました。

タブレット端末を導入することで、カウンターに行かなくても、その場で精算や次回の予約を受け付けたりもできるようになり、お客さま満足と業務効率の向上につながっています。

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