【SNSの規制強化】 LINE上でのCRMも対象か
星野:EC事業者にとってのSNSのあり方が変わるという意見もあるが。
三浦:現在、適格消費者団体や、消費者問題に詳しい弁護士が、次の特定商取引法改正を見据えた勉強会をいろいろと行っている。さまざまなテーマが取り上げられているが、そのなかの一つとして、「SNSを使った勧誘」も挙がっている。「文字での買わせ方」「個人間のやりとり」「タイムリー性」などが議論されている。
「SNS上の売買でクーリング・オフを可能にするべき」といった議論や、「取消権を有効にするべき」といった議論もある。「SNSでの勧誘自体を規制したほうがいい」という意見も出ている。
SNSでの勧誘が強化されると、例えば、顧客になろうとしている人に対して、インスタグラムのDMでやり取りをすることができなくなる可能性もある。
そこに、LINEが含まれる可能性もある。現在、EC企業がLINEで顧客とやり取りすることは普通にある。規制されることになれば、SNSの運用の仕方が変わってこざるをえないだろう。
星野:ステルスマーケティングについても、昨年、規制の方向性が決定した。法改正が行われ、広告ではないように見せたかけた広告は、通販事業者の責任となり、措置命令の対象になる予定だ。
黒田:ウェブ広告の開示に関する規制もありそうだと聞いた。三浦 そうした規制が導入されれば、当局から事業者に対して、「このウェブ広告のクリエーティブを出すように」と要請される可能性がある。そうなると、どんな事業者も、一定期間ウェブ広告のデータを会社で保存する必要が出てくる。
それはかなり膨大な量になるだろう。その広告に、SNSの投稿や、インフルエンサーに投稿を委託したものも含めれば、とんでもない量になってしまうのではないか。
<記者が考える2023年のキーワード>▲後藤工 記者 「『きっかけ』の動機付け」
2023年は、消費マインドがさらに低下するだろう。購買の動機となる「きっかけ」を作れるかが問われそうだ。
記事・動画編の全コンテンツ▶▶
https://netkeizai.com/articles/detail/7920