2023.01.22

【成長するペットEC市場 <フレッシュドッグフード編>】 「家族化」定着で売上倍増の企業も

ドッグフード市場の中でも、成長著しいのがフレッシュドッグフード。近年、ペットの「家族化」が進む中、各社は大きく売り上げを伸ばしているようだ。PETOKOTOやバイオフィリアといったフレッシュドッグフードECを展開するスタートアップ企業は、前期比で倍増以上の売り上げを記録している。両社は今期も大幅増収を見込んでいるという。現在の市場規模はまだ数十億程度。ただ、米国の現状などからから考えて、数年後には数百億の市場規模になると見込むペット関係者も多い。「国産食材」「食品工場での製造」はすでに一般化してきている。さらなる新たな取り組みが、今後の市場拡大の鍵になりそうだ。



<CONTENTS>
・【PETOKOTO】フード売上は3.5倍に ペットウェルネスカンパニーを目指す

・【バイオフィリア】「ココグルメ」急成長の1年に 販促の多角化で更なる増収を
・【Buddycare】年齢に合わせた栄養設計を 全国350の動物病院で紹介
・【topet】口腔ケアサプリが好調 フレッシュとの相性に手ごたえ



【PETOKOTO】フード売上は3.5倍に ペットウェルネスカンパニーを目指す


PETOKOTO(ペトコト)は、2022年9月期の、フレッシュドッグフードのEC事業の売上高が前期比で3.5倍増となった。2023年9月期のEC売上高は、15億~20億円を目標としているようだ。2022年9月期からは、「ペットとの旅行」や「ペット医療」の事業なども本格化。事業の多角化を進めている。大久保社長には、単なる「ドッグフードメーカー」で終始するのではなく、総合的な「ペットウェルネスカンパニー」になりたいという思いがあるようだ。

同社ではこれまで、自社ECサイトで、フレッシュドッグフードのサブスクを展開してきた。2022年からはアマゾンと楽天市場での販売も開始。新たな顧客層の開拓を目指している。2023年には、実店舗への卸も開始するなど、販売チャネルを順次拡大している。

「3年後の売り上げイメージは、自社ECが6割、他ECで2割、実店舗2割と考えている」(大久保泰介社長)と話す。

「ECへの不安や、ポイントを得たいという思いから、『そこでしか買いたくない』と考える層は存在する。D2Cでダイレクト販売だけをしていればよい時代ではなくなりつつある」(同)と話す。


▲大久保泰介社長

同社では2023年中に、ペット用アプリをリリースする予定のようだ。「基本は無料でのサービス提供とし、一部コンテンツのみ有料にしようと考えている。フードを購入できるだけでなく、獣医師への相談なども行える。ペットが使える交通手段や、ペットと泊まれる宿泊施設、ペット保険も含め、ペットとの生活全てに関われるアプリを目指している」(同)と話す。

「フレッシュドッグフード市場に関しては、競合と一緒に市場を開拓していくことが大事だと考えている。『自社だけ売れればいい』ではなく、『国内市場全体を拡大する』ことを目指していきたい」(同)と話している。

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