2022年のおせちのネット通販は、従来とは異なる商戦になりそうだ。2022年のおせちの動向を調査したところ、地域性や独自性を活かしたおせちが一つのトレンドになる可能性があることが分かった。すでに、従来から根強く人気がある百貨店や料亭などのおせちは好調に推移している。一方、有名ホテルや高校生が考案したおせちなど、地元の食材を活かしつつ、地域の魅力を発信するおせちも増えている。こうした新たなおせち販売が、商戦にどのように影響を及ぼすのかについても注目が集まる。
【INDEX】◆〈ホテル/旅館〉一流シェフの監修も 高額品のおせち高級感演出◆〈東武トップツアーズ〉高校生が考案の独自規格 地域の魅力発信につなげる◆〈百貨店各社〉自家需要見込み独自色 ウルトラマンやサステナブルも
〈ホテル/旅館〉一流シェフの監修も 高額品のおせち高級感演出
コロナ禍で、豪華なおせちを求めるニーズが見込まれる。旅館やホテルでは、一流シェフが監修したり、地域の高級食材をふんだんに使ったおせちが目立っている。ホテルなどは遠方への外出自粛がまだまだ続くと見込んでおり、高額品のおせちで特別感を演出している。
【ホテルニューオータニ】 25万円の究極のおせち
ホテルニューオータニは今シーズン、最高級のおせちを販売する。和・洋・中それぞれの料理長が垣根を越えて仕上げる全5段の究極のおせち「極み重」に、新たに6段目を加えた25万円の商品を用意した。和風三段、洋風一段、ローストビーフ一段、中国料理一段と豪華なラインナップをそろえる。
ホテルニューオータニの6段おせち広報担当者は「新型コロナウイルスの影響によってどこにも行けない分、おうち正月を豊かに過ごしたいというニーズが前年に引き続き高まっており、和・洋・中それぞれの料理長が部門を越えて仕上げた究極のおせちを用意した」と話す。12月20日までのネット予約で、館内での引き渡しのほか、関東圏であれば宅配で届ける。
【神戸北野ホテル】 最高級神戸牛を詰める
神戸北野ホテルは10月1日にECサイトでおせちの販売を開始した。
最高級の神戸牛をはじめ、地元食材をぜいたくに使用。オリーブオイルでじっくり低温調理したローストビーフやブレンドスパイスとともに塩漬けした神戸牛を淡路玉ねぎなどと長時間煮込んだコンビーフ、とろけるように柔らかな神戸牛赤ワイン煮込み、オレンジ風味の生ハム、そしてデザートまで、神戸北野ホテルのシェフが自信を持って手掛けたという。
神戸北野ホテルの最高級の神戸牛を使ったおせち神戸北野・洋風おせち「福始」は5万1410円(税込・送料別)。「昨年に引き続き今年も家庭でワンクラス上の楽しみを味わいたいという人が多いのでは」(広報)と話す。