2023.09.13

キャッチボール、「届いてから払い」好調 CVRやLTV高まると好評

端郁夫社長

スクロールグループで、後払い決済事業を手がけるキャッチボールは、2022年秋に提供を開始した新サービス「届いてから払い」の加盟店獲得が好調だという。従来サービスよりも決済手段が増え、さらにクロスセル・アップセルを支援する販促機能も備えている点が好評だ。コンバージョン率やLTVの向上につながる決済サービスとして、リピート通販企業を中心に導入が加速している。

「届いてから払い」は、従来のコンビニや金融機関での現金払いに加え、クレジットカードやスマホ決済、キャリア決済での支払いにも対応した後払い決済サービス。自宅に居ながら好きな方法で支払うことができる。

「『後払い』は商品到着後に中身を確認してから代金を支払いできる安心・便利なサービスとして利用が拡大している。ただ、当社では二つのデメリットがあると考えていた。現金を持って支払いに出かけないといけない点と、決済に紐づくポイントをためることができない点だ。『届いてから払い』は、後払いのメリットはそのままに、2点のデメリットを解消している」(端郁夫社長)と話す。

他社の後払い決済にはない利便性を追加したことに加え、コンビニの収納代行手数料の値上げなどの影響もあり、「届いてから払い」を導入するEC企業が増加している。


「販促オプション」提供


さらに同社は今年5月、「届いてから払い」の決済画面にバナー広告を表示できるサービス「販促オプション」の提供を開始した。利用者が必ず訪れる決済ページにバナーを表示することで商品のアップセルやクロスセルを効果的に促すことができる。

「『販促オプション』は、スクロールグループとして通販・EC事業を展開しているからこそ生まれたサービスだ。多くのリピート通販企業は、注文から14日内に電話やメールなどでクロスセルやアップセルを促すアクションを起こす。購入者のリピート購入のモチベーションが高いうちにオファーを出すのが定石となっている。後払い決済の支払い期限も注文から14日以内のことが多い。この支払いまでの期間を生かして、再購入を促すことはできないかと考えて、『販促オプション』を開発している」(同)と話す。

グループで物流支援を行うスクロール360では、ワン・トゥ・ワンのチラシの同梱施策を支援するなどして、クライアントの売り上げに貢献している。キャッチボールでも利便性の高い後払い決済を提供するだけではなく、販促につながるサービスを提供し、売り上げ拡大に貢献したい考えだ。

「当社では収納代行や審査、顧客対応まで100%内製化している。さらにグループの総合力を生かし、ワンストップでさまざまなソリューションや成長に向けた提案もできる。本当の意味でソリューションをワンストップで提供できる企業は、ほとんどない。その強みを生かして、より安心・安全で、クライアントの期待に応えられるサービスを提供していきたい」(同)と話す。

同社は「届いてから払い」の好調もあり、2023年3月期の売上高は2桁増となった。今期(2024年3月期)もさらに利用者獲得を促進し、前期を超える増収を目指している。





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