2023.08.25

【「ふるさと納税」特集】寄付額上位に聞く成功の秘訣!自治体アンケートでは8割が「5割ルール厳しい」


【寄付額上位自治体に聞く!成功の秘訣】
1位「都城市」、4位「白糠町」の秘訣は?



2022年度のふるさと納税市場では、上位20位中5自治体の寄付額が、前年度比2倍以上となった。上位20位のほとんどの自治体の寄付額が、前期比10%以上の増加となっている。市場拡大の恩恵を受けているようだ。「楽天ふるさと納税」では、自治体数、返礼品数共に、拡大傾向にあるとしている。地域を舞台にしたアニメがきっかけで、寄付の申し込みが増える事例もあったようだ。





【宮崎県都城市】受入額が2年ぶり1位
池田市長「行政も結果にこだわる」


宮崎県都城市(みやこのじょうし)は2022年度の「ふるさと納税」の自治体別受入額において、2年ぶりの1位となった。受入件数は100万件を超え、受入額は195億9300万円になった。

都城市の池田宜永市長は8月2日、楽天グループの大型イベントに登壇し、「自治体は結果が出なくても倒産するわけではないが、市民が不利益を被る。行政も結果にこだわり、1位を目指すことが、市民の幸せにつながる。『ふるさと納税』も同様だ」と語った。


▲池田宜永市長

都城市は肉と焼酎を中心に、こだわりの商品を「楽天ふるさと納税」などを通してアピールした。現在は商材も広がっている。

「ふるさと納税は寄付を集めるのが目的ではなく、都城市を知ってもらうのが狙い。そのため、ふるさと納税を始めるに当たり『肉と焼酎がつかみだ』と伝えると、まず役所で抵抗があった。他の商品の生産者から何を言われるか分からないと考えたのだと思う。そこは市長が言っているからという形で進めてもらった」(池田市長)と話す。

ふるさと納税事業を推進するために「ふるさと納税振興協議会」を立ち上げ、返礼品事業者に参加を促し、取り組みを強化している。

「協議会を作るのにも若干の抵抗があった。この協議会に市はお金を入れていない。すべて返礼品事業者の売り上げから資金を拠出している。それは当事者意識を持ってもらいたいから。行政と民間が同じ方向を向き、チームとして取り組むことで結果が出る」(同)と話す。

協議会には現在、約170社が参加し、力を合わせることで日本一の地位を築くまでになったという。



【北海道白糠町】小規模でも上位の常連
返礼品の質、寄付者対応に自信


北海道東部にある人口7000人強の白糠町(しらぬかちょう)は、2022年度のふるさと納税受入額において全国4位に入っている。受入件数は92万件を超え、受入額は148億円に達している。自治体の規模は小さいものの、受入額では上位の常連となっている。

特に「楽天ふるさと納税」で顕著な成果を残しており、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」も連続で受賞している。

返礼品で人気となっているのは、「いくら」を始めとした海産物だ。

「返礼品の質が非常に高いことが、多くの寄付を集める要因となっている。リピート率が高いことも、その質の高さを裏付けていると思う」(企画総務部企画財政課 ふるさと納税推進係 神田貴史係長)と話す。


▲企画総務部企画財政課 ふるさと納税推進係 神田貴史係長

寄付者とのコミュニケーションにも注力しているという。

「ふるさと納税のスタッフは、寄付していただいた方を90万件のうちの1人と思わないで、1対1のつながりを心がけて対応させていただいている。使い道の報告なども折々、メールだけではなく郵便も使ってお伝えしている。デジタルだけではなくアナログな関係性も築いている」(同)と話す。

EC事業と同様に商品だけではなく、CRMにも注力することで、継続的に寄付者を獲得できているようだ。

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