2023.08.16

【有力通販インタビュー】澤井珈琲 澤井理憲常務取締役「通販売上は50億円の大台に」


顧客との接点を増やしたい


――今後のECモールに対して求めることは?

最近は、「最安値」ばかりが求められている。EC各社が扱う商品には、安くてお得なものもあれば、品質にこだわった高いものもあるだろう。だが、モール側が、「最安値」ばかりを重視してしまうため、企業としても、そこに注力せざるを得なくなってしまう。

プラットフォーム側には、顧客が何を求めているのかという詳細なデータもあるだろう。「安い」「早い」ばかりに捉われず、店舗と顧客が自由に商品を選べる環境を作ってほしいと思う。

――今後の展開について考えていることは?

顧客との接点を増やしたいと考えている。

当社はこれまでSNSにはあまり力を入れてこなかった。だがSNSというのは、顧客との接点を作るのに最適な手法だ。SNSを通じて、これまでできていなかった分野にもチャレンジしていく予定だ。


東京に拠点開設、SNSを強化


2023年3月には、YouTubeで「澤井珈琲チャンネル」を開設した。これまでは、ホームページやECサイトでは、商品に対する思いを書いていたが、今はそれを読んでもらえる時代ではない。

動画などを通じて、より伝えやすい形で、思いを伝える必要があるだろう。ユーザーの、スマホを見る時間が多いということは、見てもらうチャンスも多いということ。ユーチューブだけでなく、さまざまな角度で、会社の思いを伝えていきたい。

2023年7月には、東京に事務所を設けた。ここでは主に、SNSの活動に注力していく予定だ。

顧客との接点を作り、商品の品評会なども行っていきたいと考えている。「澤井珈琲だけで作った商品」だけではなく、「顧客と一緒に作った商品」も今後は展開していきたい。

もう一つの目標は、実店舗を増やすことだ。当社ではこれまで、銀座で喫茶店を運営していた。今は移転し、喫茶スペースをなくし、物販だけにしている。コーヒーはテイクアウトのみとし、陳列する商品数を2.5倍に増やした。喫茶スペースは、滞在時間が伸びたりすることが多く、人員が必要だった。コロナ禍以降、運営が難しい部分があった。業態を変えたことにより、時代に合った運営ができるようになったと思う。

実店舗に関しては、都内を中心に、5年以内に10店舗まで増やしたいと考えている。

ECだけでは、企業の認知を拡大するには限界がある。都内の一等地に実店舗を構えることにより、会社としての認知と、ブランド力を高めていけたらと思っている。

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