2023.02.10

カスタマーサポートDXを推進するカラクリ、10億円を調達 AIドリブンなプロダクト開発推進

カスタマーサポートをエンパワーメントするカラクリは2月8日、SBIインベストメントなどからの第三者割当増資、および商工組合中央金庫からの融資による総額10億円の資金調達を実施した。調達した資金を活用し、カスタマーサポート/コンタクトセンターのAIドリブンなDX改革を実現するプロダクト開発・拡充を進める。

カラクリは「カスタマーサポートをエンパワーメントする」をブランドパーパスに掲げ、高精度AIチャットボット「KARAKURI chatbot」の提供を中心に、AIテクノロジーを活用した事業を展開。業界に先駆けて、「利用サービスに不満はあるが、問い合わせをしない」サイレントカスタマーの存在に着目し、EC利用者の困りごとを予測するシステムを開発。売上の機会損失を防ぎ、カスタマーサポートの事業貢献の可視化へ貢献している。

このほど、既存投資家のALL STAR SAAS FUND PTE. LTD.、ジャフコグループに加え、SBIインベストメントを引受先とする第三者割当増資と、商工組合中央金庫からの融資による総額10億円の資金調達を実施した。今回の資金調達により累計調達総額は約18.1億円となった。

カラクリは、2018年に業界で唯一、正答率95%保証の高精度なAIチャットボット「KARAKURI chatbot」をローンチ。その後、チャットボットとデータを一元管理できるFAQシステム・有人チャットなどのCXツール「KARAKURI Digital CS Series」を提供し、メルカリ、SBI証券、髙島屋、セブン‐イレブン・ジャパン、GMOペイメントゲートウェイといった業界のトップランナー企業に選ばれている。



ローンチ以来2桁成長を続けてこられたのは、「顧客起点の経営」を重視する多くの企業に支えられてきたおかげとしている。今後、どの業界においても、経営戦略における「顧客体験の改善」は重要性が増すことが予想されるとし、今回調達した資金をもとに、カスタマーサポート/コンタクトセンターのAIドリブンなDX改革を実現するプロダクト開発・拡充を推進していく考えを示した。



カスタマーサポート/コンタクトセンターに蓄積するデータは「宝の山」と呼ばれているが、多くの企業がこのデータを活用しきれず、収益を生みだすレベルにまで達していない。その原因は、データの分析・統合・連携などへの高いハードルがある。一方で、2022年末にOpenAI社が提供する「ChatGPT」が話題になったように、大規模言語モデルの可能性は更に拡がっている。

カラクリは、CXソリューション事業、EXソリューション事業の2本の事業を柱にこれらデータの有効活用を可能にするプロダクト群の開発と、ジェネレーティブAI(生成AI)モデルのカスタマーサポート領域への適用を目指した研究開発を加速させていくとしている。

デジタル中心の時代においても、まだ多くのカスタマーサポートは電話が主流となっている。しかしタイムパフォーマンスが求められる時代において、顧客体験価値の高さとは「いかに素早く自分のスマートフォンで解決できるか」が1つの鍵となり、顧客の購入前の情報体験や購入における迅速さが体験価値の大きなメリットとなっている。そこでカラクリは、CXソリューション事業において、デジタルチャネルを介して収集した行動データ・会話ログから、消費者の行動を先回りしてサポートする「購買体験の先回りサポート」の実現や膨大なVoCから「真のニーズの抽出」などを目指す。

一方のEXソリューション事業では、オムニチャネル化やデジタルチャネルの増設は、オペレーターの業務負荷に直結するからこそ、運用に必要な「データの一元管理」や「統合データから最適解を得られるナレッジ管理」が重要視されるとし、単純作業の置き換えはもちろん、オペレーターの行動を自動でAIが学習して業務効率化を実現する支援ツールなどの提供を通じ、次世代コンタクトセンターの実現を目指す考えを示した。

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