2021.09.02

【「楽天EXPO」三木谷社長講演】2030年にEC流通10兆円目指す モバイル契約で「楽天市場」利用額は77%増に


「送料込み」「配送効率化」「ポイント」を一層強化


「楽天市場」の改善のために、「送料込みラインの統一化」「配送の効率化」「ポイント利用の一層拡大」などに取り組んでいる。

「送料込みライン」導入店舗数は今年7月に、全体の90%を突破し、間もなく95%に達する見込みだという。「送料込みライン」導入店舗の売り上げが流通全体に占める割合も90%を突破している。導入店舗の成長率は、未導入店舗と比べ約25ポイント高いという。



「配送の効率化」については、日本郵便と共同出資で設立したJP楽天ロジスティクスが鍵を握る。自社で広げていた配送網は、人口カバー率が70%に達するところまできていたが、日本郵便と組むことで全国津々浦々、統一料金で配送できる体制を整える。

「既存の物流拠点をシームレスにして、つなげていく。自動化も進めている。さらに物流拠点増やしていく。将来的には北海道や沖縄での拠点新設も視野に入れていかなくてはいけないと思っている。まとめて配送したり、ロッカーを設置したり、当日配送に対応するなど、多岐に渡る全ての配送サービスをサポートしていこうと思っている」(同)と語る。

「ポイント利用の一層拡大」については、スマホユーザーに最も使われているポイントサービスとなっており、累計の発行ポイント数は2.5兆円を突破した。「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」の浸透により、利用者のサービス利用数は年平均25%増となっていると説明する。



「『楽天市場』で付与したポイントが他のサービスで使われているのではないかという声もあるが、『楽天市場』で発行したポイントの約1.6倍が『楽天市場』で使われている。楽天グループの他のサービスで発行したポイントが『楽天市場』で使われているということだ。楽天エコシステムの一番のメリットの享受者が『楽天市場』だと思っている」(同)と話す。


「店舗」「社会」「グループ」が三位一体で進化


講演の終盤では、脱コロナに向けた楽天の取り組みを紹介した。

「確かにショッピングという面ではコロナはポジティブだったのかもしれない。ただ、長期的には日本の経済が発展していく、日本の消費者マーケットが大きく広がっていくということが『楽天市場』の店舗や楽天グループにおいても極めて重要。そのために啓蒙活動や、新経済連盟を通した政府への呼びかけなども行いながら、コロナ危機からの脱却に向けて努力してきた」(同)と話した。

ワクチンの大規模接種会場の運営支援の実績などをビデオを交えて紹介した。



最後に「Amazonのようにファーストパーティのショッピングを中心に考えていこうという哲学の会社もある。楽天はあくまでも店舗、社会、楽天グループが三位一体となってともに進んでいくという未来をエンビジョン(想像)しながらやっている。ところがテクノロジーの川の流れはものすごい早い。5万店舗の何億という商品を一発で見つけて、買えて、安心して届ける。このようなプラットフォームを共存し、共栄し、コラボレーションしているから楽天というのは世界に類を見ない発展を遂げていける。単純に儲けるだけでなく、皆さんの笑顔をこれからも大切にしながら、楽天グループ一丸となって頑張っていきたい」(同)と話した。




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