コーヒー好きとしても知られるのが、EXILEのTETSUYA。趣味から始まったコーヒーとの関係は現在、ビジネスへとつながっており、「AMAZING COFFEE(アメージングコーヒー)」という名称の、カフェとECサイトを構えるまでになっている。コーヒーのECでは、女性の若い客層が少ないと言われている。そんな中、「アメージングコーヒー」は、若年女性の顧客層の心を確実に捉えており、コーヒーEC業界に新たな風を吹き込む存在になる可能性がある。コーヒービジネスを始めた経緯や現状、今後の展望について、TETSUYAに、コーヒー豆の買い付けを共にしたという、丸山珈琲の丸山健太郎代表とともに、話を聞いた。
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――コーヒービジネスを始めたきっかけについて教えてください。TETSUYA：恵比寿にオープンする猿田彦珈琲の開店祝いに行ったのがきっかけでした。私は元々、コーヒーが飲めなかったのですが、「だまされたと思って飲んでみて」とブラックコーヒーをいただきました。そのコーヒーが素晴らしくおいかったことがきっかけで、のめり込んでしまったのです。味もおいしかったのですが、友人とコーヒーを飲む「空気感」にも感動しました。まるでたき火を囲んでいるような心地よさを感じ、コーヒーには「力」があると感じるようになりました。
丸山：そのときからコーヒービジネスを考えていたのですか。
TETSUYA：EXILEに加入して間もない頃だったということもあり、全く考えていませんでした。ただコーヒーを入れることに興味が出てきたので、自分で入れて飲むようになりました。おいしく入れられるようになると、次は「飲んでもらいたい」という願望が出てきたので、EXILEのメンバーやスタッフが集まった際に、振る舞うようになりました。毎朝コーヒーを入れて持っていくのが習慣になり、5年くらい続けていました。そうしたら、そこまで好きならお店でもやってみたらどうかと声がかかったのです。
丸山：5年間の経験が今に生かされているわけですね。コーヒーを趣味としてやり始めたけれど、次の趣味に行ってしまったという人も多いので、すごいと思います。
TETSUYA：コーヒーマイスターの資格をとったりする中で、メディアに「コーヒーの人」として取り上げられることも多くなりました。コーヒーの仕事が増えたことも、お店を開く後押しになったようでした。
EXILE TETSUYA(写真右）と丸山珈琲 丸山健太郎代表(写真左）――コーヒービジネスはもともとどういった形で始まったのでしょうか？
TETSUYA：差し入れが原点だったので、初めに、「差し入れカー」のような、コーヒーの移動販売車を作りました。ライブ会場やフェス、撮影現場に車で行き、販売や差し入れをしたのが、ビジネスの始まりです。期間限定の屋外飲食イベントである「居酒屋えぐざいる」への出店を経て16年に、中目黒に実店舗をオープンしました。
コーヒービジネスは移動販売車から始まった――TETSUYAさんと丸山さんが出会ったきっかけについて教えてください。
丸山：SCAJ(※1参照)の会場では、何度かお会いしたこともありました。
TETSUYA：SCAJには毎年のように、お忍びで行っていましたね。
丸山：ゆっくり話すことができたのは、大塚社長と一緒に、コスタリカへの買い付けに行ったときでした。
コスタリカでは農園にも出向いたTETSUYA：2019年1月のときですかね。4つの農園を回らせていただきました。一緒にカッピング(※2参照)をさせてもらい、気に入ったコーヒー豆を買わせてもらいました。
カッピングの様子丸山：買い付けたコーヒーを店で出してみて、顧客の反応はどうでしたか。
TETSUYA：素晴らしく良かったです。お店で飲む顧客からも、ECで豆を買う顧客からも、大変喜んでもらえました。
丸山：販売する側としても、現地に行って買い付けたということがあれば、自信を持って販売できますよね。
TETSUYA：私もそのときに、その意味がようやく分かりました。胸を張っておいしいコーヒーを売ることができました。
※1 SCAJとは・・・ワールドスペシャルティコーヒーカンファレンスアンドエキシビションの略。(一社)日本スペシャルティコーヒー協会が開催する、スペシャルティコーヒーの大型イベント。※2 カッピングとは・・・コーヒーのテイスティングの一手法。 
