2024.02.29

シェルフ大手「エレクター」が直販本格化でEC売上4~5倍 リニューアル成功の鍵は効率的な体制構築

エレクター 営業本部 デジタルマーケティンググループ マネージャー 松岡弘明氏(左)、インターファクトリー ビジネスディベロップメント部 マネージャー 堀内駿氏(右)


昨年1月、ECサイト大幅刷新


――2023年1月にもECサイトをリニューアルしているが、その経緯は?

松岡:製品のモデルチェンジに合わせて、ECサイトをリニューアルすることにしました。以前は「Home ERECTA(ホームエレクター)」という名のシェルフブランドを提供していましたが、業務用のニーズも広がっており、ブランド自体を刷新することになりました。それに合わせてECサイトの構成を変更する必要があったのと、より購入率を上げたいという思いで、リニューアルを決めました。

堀内:コロナ禍に入り、アクセス数も伸びていましたが、一部のお客さまは商品選びに戸惑う部分もあるかと思い、トップページのデザインを大きく変更する提案をしました。タイル式のデザインや、「注目ワード」をハッシュタグのように並べることでユーザーが希望するシリーズやパーツへの導線を明確化できたのではないかと思います。

――デザイン面以外でリニューアル時に追加した機能は?

松岡:ECサイトを利用する法人顧客向けの機能の強化と、顧客の要望に応じて見積書や領収書を自動発行する機能を実装しました。

個人事業主のお客さまなどは、ECサイトで手軽に見積もりを取り、購入したいというニーズがありますし、見積もりを依頼される方は購入単価が高い傾向があります。ECサイトをリニューアルしたことで販売機会の損失を減らすことができただけでなく、見積書の発行を自動化でき、業務負荷も軽減しました。


▲エレクター 営業本部 デジタルマーケティンググループ マネージャー 松岡弘明氏


アフターコロナに新たな挑戦


――2019年のリニューアル以降、ECサイトの実績はどのように伸びているのか?

松岡:取扱商品は現在、3万点以上に増えています。個人のお客さま向けに製品販売を推進したことや、コロナ禍の巣ごもり需要の拡大なども追い風となり、リニューアル前と比べるとEC売上高は4~5倍に拡大していると思います。社内の特殊要因や外部要因などの影響もあるため、EC事業運営の指標をどこに置くかは課題だと考えています。

堀内:アフターコロナを迎え、指標をどう設定するか、悩まれている事業者さまは多いです。コロナ禍は新規のお客さまにいかにリピートいただけるかに重点を置いて取り組まれている事業者さまが多かったです。コロナ特需はもう終わったと考えて、正しい数値にKPIを見直す動きが進んでいます。


▲インターファクトリー ビジネスディベロップメント部 マネージャー 堀内駿氏

――今後、EC事業で取り組みたいことは?

松岡:直販の推進やコロナ禍が一段落し、ようやくスタートラインに立ったという感じがしています。直近の課題としては、定番商品が中心のため、意識しないとECサイトの見た目が代わり映えしない状態になってしまいます。ECサイトに訪れるお客さまの目を引くような、にぎやかなコンテンツを提供していきたいと考えています。

将来的な課題としては、当社の製品は高品質が故に価格が少し高い傾向があるため、お客さまの年齢層が高い傾向にあります。より若い世代にブランドを知っていただくために、コンテンツを工夫したり、さまざまなチャネルでコミュニケーションを強化していきたいと考えています。

堀内:当社では分析やコンサルティング、運営支援の機能を強化しています。エレクターさまの課題を解決するために、データ分析に基づいた根拠ある改善策の提案などができるよう、今後も伴走させていただきたいと思っています。


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