サンエイ糖化、機能性原料「マルトビオン酸(Ca)」を供給 「骨密度」など4つの機能性で届出多数
ブドウ糖メーカー国内最大手のサンエイ糖化は、「骨密度維持」の機能性食品素材「マルトビオン酸(Ca)」の原料供給を行っている。「マルトビオン酸(Ca)」を使った機能性表示食品について届け出を行っている企業数は、2021年から増加しつつあるという。「骨密度維持」に加えて、「骨の成分維持」「ミネラル(カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛)吸収促進」「便通改善」の計4つの機能性を表示できる、注目の素材だ。
「マルトビオン酸(Ca)」は、サンエイ糖化が穀物由来でんぷんを原料に開発した、骨と腸に働く酸性オリゴ糖だ。自然界では、ハチミツに含まれる希少成分の一つ。「骨密度維持」「骨の成分維持」「ミネラル吸収促進」「便通改善」の四つの機能を持っている。
複数機能性も魅力
2018年に同素材の販売を開始。2019年7月に初めて同素材を機能性関与成分として配合した機能性表示食品の届け出が受理された。
最近では、「骨密度ケア」の機能性表示食品を作りたいという市場ニーズの高まりを反映し、同社への問い合わせも増えているという。
同社によると、「マルトビオン酸(Ca)」に関する問い合わせの多くが、「『骨密度』と『ミネラル(特にカルシウム)の吸収促進』の2つの機能性を持った製品を作りたい」という内容だとしている。
「マルトビオン酸(Ca)」は、「便通改善」の機能性食品素材として有名な「難消化性デキストリン」に比べて少ない配合量で、機能性表示食品化できるという。サプリメントだけでなく、一般的な加工食品にも配合することが可能だとしている。
「顔の骨密度ケア」が背景に
同社によると、「骨密度ケア」の主なターゲット層は、「60代以上の、加齢による骨の衰えを切実に感じる世代」だ。一方で、同社では、美容の観点から骨ケアを訴求するために、40~50代をターゲットに設定した、製品設計を提案したいと考えているという。
背景には、米国で2012年に、「骨密度の変化と老化した顔の外観の関係」に関する論文が発表されたことがあるという。同論文では、顔の骨密度が低下すると、骨が痩せ、たるみやシワと関連性が生まれることが示唆されている。