2023.11.21

【動画でCVR7倍の成果】「4℃」にOMO見据えたコンテンツ戦略を聞いた

第三事業部 EC営業部 EC営業課長 西川逸人氏(左)、第三事業部 販売促進部 販売促進課長 神島涼子氏(右)


ジュエリーブランド「4℃(ヨンドシー)」などを展開するエフ・ディ・シィ・プロダクツは、2022年3月にECサイトをリニューアルするとともに、コンテンツ強化の取り組みを加速している。ECサイトにインスタグラム(インスタ)に投稿した画像を掲載したり、商品の魅力を伝える動画を配信したりしている。ECサイトにおいて、インスタ投稿を見たユーザーのコンバージョン率(CVR)は約3倍、動画を閲覧したユーザーのCVRは約7倍に高まったという。今後、実店舗とECサイトの顧客情報を統合し、より顧客理解を深め、コミュニケーションを深めていく方針だ。ECにおけるコンテンツ強化の狙いや、OMO(ネットとリアルの融合)の展望について、EC営業部 EC営業課長 西川逸人氏と、第三事業部の販売促進部 販売促進課長 神島涼子氏に聞いた。



――エフ・ディ・シィ・プロダクツの事業概要を教えてください。

西川:当社は1972年にジュエリーブランド「4℃」を世に送り出して以来、全ての女性に「美しさ」と「ときめき」をお届けすることを使命に事業を展開しています。

商品企画、デザインから製造販売まで一貫して手がけるSPA事業を強みに主力の「4℃」を始め、クラシカルテイストの「EAUDOUCE 4℃(オデュース・ヨンドシー)」、普段使いしやすいアイテムを幅広く展開する「Canal 4℃(カナル・ヨンドシー)」など、数々の独自性があるジュエリーブランドがあります。

D2Cブランドとして、サステナブルジュエリーを取り扱う「cofl by 4℃(コフル・バイ・ヨンドシー)」、ジェンダーレスに楽しめるジュエリーを展開する「4℃ HOMME+(ヨンドシー・オムプラス)」、ヨーロッパと日本のデザインエッセンスを表現した「RUGIADA(ルジアダ)」などもあります。

幅広いお客さまに喜んでいただけるように、販売チャネルの多様化も進め、たくさんのお客さまにご支持していただいています。


▲第三事業部 EC営業部 EC営業課長 西川逸人氏

神島:昨年、当社は創業50周年を迎えました。次の50年を見据えて「サステナブル」「ジェンダーレス」など時流を捉えた新たなブランドの取り組みを始めました。

新しいブランドはまず、D2CブランドとしてEコマースから販売を開始しています。各ブランドとも好評な声をたくさんいただいており、少しずつ店舗展開もしていきたいと思っています。


コロナ禍にEC強化、リニューアルも推進


――EC事業はどのように注力してきましたか?

西川:2006年頃からECを展開しています。ECはもともと、実店舗を補完するような位置付けでしたが、コロナ禍に実店舗を閉めざるを得ないときには、ECが主役でした。

実店舗で買えないこともあり、ECの注文がかなり増えました。物流のメンバーと密に連絡を取り合い、毎日の出荷をどう乗り切るかに追われた日々でした。

普段、あまりネットを触ったことないお客さまからお問い合わせをいただき、使い方をお伝えしながら、ECでご購入いただくこともありました。

日によっては出荷件数が、それまでの2,3倍になるときもありました。コロナ初年度の2021年2月期のEC売上高は、前期比約20%増でした。

神島:コロナ禍に高まるECのニーズを捉えるために、送料無料のキャンペーンを急遽、実施したり、SNSの配信を止めないように投稿をいつもよりも頻度をあげて継続いたしました。

お誕生日や結婚記念日などにジュエリーを贈りたいけど、実店舗で購入できないと悩んだ末に、ECに来ていただいているため、ECを止めてはいけないという思いでした。

なかなか親しい人でも会えなかったコロナ禍だからこそ、身に着けるもの、肌に直接触れるものだったり、気持ちを込める意味でジュエリーを選ばれる方もいらっしゃいました。


▲第三事業部 販売促進部 販売促進課長 神島涼子氏

西川:コロナ禍にECのニーズが高まり、目の前の業務に追われながらも、先を見据えて、ECサイトのリニューアルを検討しました。

変わっていく環境の中でどういうプラットフォームが最適なのか、どういうスピード感でお客さまに対応していった方が良いのか、などを話し合いました。

2021年からリニューアルに向けて取り組み始め、ECサイトを刷新したのが2022年3月でした。

――リニューアルで重視したポイントは?

西川:コロナ禍で特に考えていたことは、接客ができない中で、ECでジュエリーの魅力をどうすれば伝えることができるのか、ということでした。

着用したり、接客したりできないECサイト上でどのように表現することができるのか。思いを巡らせる中で、コンテンツを強化する方向性が明確になっていきました。

リニューアルを機に社内でコンテンツを迅速に更新できるようにしたいと考えました。メンバーがHTMLやJavaScriptなどを学ぶとともに、自分たちで運営しやすいようなシステムに変更しました。

さらに、今後を見据え、実店舗とECの顧客情報を統合し、アプリで一括管理できる体制も作りたいと考え、リニューアルしました。

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