2023.09.01

西川、睡眠ソルーションのOMO強化 第1弾「スタッフ投稿」はCVR4倍の成果

広域戦略事業部 第1部 第1課 早田真也氏(写真左)、第1部 第2課 リーダー 定方真麻氏(写真右)


創業457年の西川は寝具の卸・小売に留まらず、睡眠ソルーションを提供する企業として進化を遂げている。2018年に開設したECサイトにおいても、寝具を購入できる場としてだけではなく、実店舗で培った「睡眠改善のノウハウ」を生かしたコンテンツやサービスを提供している。直営店舗とECサイトが連携したOMO(ネットとリアルの融合)サービスに注力しており、その第1弾として昨年5月から、店舗スタッフによる商品の魅力を伝える投稿サービスを開始している。店舗スタッフの投稿を見たユーザーのコンバージョンレート(CVR)は、通常の4倍と跳ね上がる。「スリープマスター」の資格を持つ店舗スタッフの接客スキルの一端をECサイトに再現することで、確かな成果につなげている。現在、直営店とECサイトの顧客管理の一元化を進めており、さらにネットとリアルが融合したサービスを提供していく考えだ。広域戦略事業部でECサイトの運営を担当する第1部 第2課 リーダー 定方真麻氏と、直営店を担当する第1部 第1課 早田真也氏に、ECサイトの強化策や、OMO施策の展望について聞いた。



「三方よし」受け継ぐ老舗が進化


――EC事業について教えていただく前に、西川がどのような会社か教えていただけますか?

定方:当社は1566年に創業した、今年で457年目を迎えた老舗の企業です。ルーツは近江商人にあります。当社の社是である「誠実」「親切」「共栄」は、近江商人の「三方よし」の考え方に通ずるものがあります。自社と顧客の利益だけではなく、社会全体の利益につながるような商売をしようという姿勢は創業当初から変わりません。

老舗企業と聞くと”古臭い”と思われるかもしれませんが、チャレンジし続けているからこそ、長く企業が存続できていると考えています。新しいことにどんどん取り組んでいく社風があります。


▲広域戦略事業部 第1部 第2課 リーダー 定方真麻氏

――寝具の販売がメインの事業ですよね?

定方:1887年から、ふとんの販売を行っています。今から約130年前ですね。「ふとんの西川」と呼ばれているので、寝具のイメージが強いと思いますが、最近は寝具の卸・販売から、睡眠ビジネス全般に関する商品・サービスを提供する企業に進化しています。

睡眠ビジネスというのは高機能・高品質な寝具を販売するだけではなく、睡眠にお悩みのお客さまに対するソルーションを提供することを事業の主としています。

その代表的な取り組みとして、「ねむりの相談所」という睡眠に関する相談ができる店舗を展開しています。

BtoBのビジネスとして、企業へ「ちょっと寝ルーム」という、ちょっとした昼寝ができるお部屋の提案もしています。15分ほど昼寝していただくことで、午後の仕事のパフォーマンスを高めることができます。


▲実際の西川の「ちょっと寝ルーム」

ほかにも、大学や研究機関が持つ研究成果やノウハウを活用し、新しい商品・サービスを開発する取り組みも行っています。


▲広域戦略事業部 第1部 第1課 早田真也氏

――ECサイトはいつぐらいから運営しているのですか?

定方:オンラインショップは2018年3月に開設しました。それまではコーポレートサイトで商品を紹介していましたが、そのページに訪れたお客さまが商品をその場で買うことができないという不便を解消したいという思いで、立ち上げました。

直営店や取引先で商品は購入できますが、実店舗ですと商圏が決まっておりますので、ご来店いただけるお客さまも限られてしまいます。

オンラインショップであれば、お住まいの地域に関わらず当社の商品やサービスをご利用いただく機会を作ることができます。時代の流れに応じて、当社もECビジネスを強化しています。

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