2023.09.28

養豚DXのEco‐Pork、こだわりの豚肉をEC展開 初年度に年商1億円、定期便顧客1000人超目指す

養豚DXを手掛けるEco‐Pork(エコポーク)は2023年4月、豚肉の販売を行うECサイトを開設した。来年までに養豚農家数を3〜5件に増やし、年商1億円以上、定期便のユーザー数1000人超の獲得を目標にする。

「食はいのち。次世代に食肉文化をつなぐこと」をビジョンに掲げて2017年に創業し、畜産農家向けのDXソリューションを提供してきた。データを用いた生産管理を実現させる「DX技術」を畜産自働化パッケージで提供し、テクノロジーで生産量と環境負荷を改善して、養豚農家の活性化に取り組んできた。


▲データ管理で業務効率を高めるDXソリューションを提供

温度や湿度、二酸化炭素などについて、豚舎にセンサーを設置して自動的にデータを取得することで業務効率を改善。すでに国内導入率が全体の10%以上となり、年間180万頭分の農家と契約するまでに成長した。


2023年4月にECサイト開設


こうして全国80の養豚農家の業務を改善してきた実績をもとに、2023年4月に豚肉の流通事業としてECサイトを立ち上げた。「Join Our Farm」をコンセプトに、「おいしい豚肉がきちんと評価される社会に向けて豚肉の社会的価値を高め、認知をしてもらうこと」(同社)を目標に掲げた。



農家を訪問し生産の背景やこだわりを取材。ECサイトに情報を掲載することで購入の動機づけにつなげている。

ブランディングを手掛けたブランドディレクター CMO 執行役員の勝部健太郎氏は「私たちの理念(思想)に共感してもらえる『思想販売型ECサイト』として、消費者や環境企業、飲食に関わる人にECサイトを通じて参画してもらい、結果的に養豚業のさらなる持続可能性の拡大につなげたい」と話す。

顧客接点の構築については、バーベキュー施設に提供して食べてもらう機会を増やしているほか、会員向けのオフラインイベントの開催も想定する。「継続的な社会への貢献と関係性の構築を目指し、社会に対して良いことをしたいという思いを持つユーザーに広く参画してもらいたい」(勝部氏)と話す。


定期便は3種類を用意


販売する商品は「安心・安全で、環境への配慮がなされているか」について8項目で審査し、6項目をクリアした生産者の肉を提供する「エコポーク認証制度」を設けた。

新潟・魚沼の雪深い山中で育てられる幻の豚肉、鬼や福ふくの「鬼の宝ポーク」と、ドイツ人のクラフトマンシップの出会いから生まれた完全無添加で伝統製法のシャルキュトリの販売を開始した。

また、ユーグレナと連携し、石垣島で持続可能性に配慮して生産された、栄養価の高い微細藻類ユーグレナを配合した「飼料ユーグレナ」を与えた「ユーグレナエコポーク」の販売も開始。

8月には、Mr.CHEESECAKE代表の田村浩二シェフが考案・開発した特別な豚しゃぶミールキット「THE BUTA-SHABU SOUP BOX」(4800円〜)の販売も始めた。


▲9種の厳選素材から作った出汁と銘柄豚でシェフの味を自宅で楽しめる「THE BUTA-SHABU SOUP BOX」

豚肉の定期便も月額6800円から3種類用意し、2024年には定期便の会員を1000人にすることを計画している。

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