2023.09.27

アスクル、プラスチック容器のリユース促進プロジェクトに西宮市が参加 自治体では初めて

アスクルは10月2日、兵庫県西宮市と共同で、事業者におけるプラスチック容器のリユースを促進するリユース容器を使用した業務用商品販売プラットフォーム「Loop Professional for ASKUL」の実証実験を開始する。2023年3月から希望企業の参加のもと実施している同実証実験への自治体の参加は初の試みとなる。容器の耐久性やリユースによるCO2やごみの削減量などを確認し、資源の有効活用を目指して取り組みを推進する。

アスクルが実施する「Loop Professional for ASKUL」は、事業者におけるプラスチック容器のリユースを促進するため、使用済みプラスチック容器の回収、洗浄、内容物の充填、販売までのバリューチェーンの仕組みを、ECの配送スキームを活用し、コストを抑えて構築することを目的とした実証実験。

2022年4月の「プラスチック資源循環促進法」施行に伴い、企業におけるプラスチック製品の廃棄削減への対策が求められ、プラスチック資源循環への取り組みの重要性がより一層高まっている。

プラスチック製品の水平リサイクルについては、バージン材による商品製造よりも商品製造コストを上げないためのスキーム構築が最大の課題になっており、これを解決するには、回収運搬コストの抑制、単一素材での資源回収の実現、汚れや異物の混入の防止など複数の条件を満たすことが要求され、単独の事業者でこれらを実現するのは難易度が高いのが実情だった。

アスクルは持続可能な社会を実現するため、「資源循環型プラットフォームの実現」をマテリアリティ(重要課題)の1つとして掲げており、具体的な取り組みとして、2023年3月からLoop Japan(ループジャパン)と共同し、アスクルのBtoBサービスの顧客を対象に、リユース容器を使用した業務用商品販売プラットフォーム「Loop Professional for ASKUL」の実証実験を開始した。

Loop Japanが展開する容器リユースモデル「Loop」をアスクルの物流・流通スキームを活用してアスクルの顧客向けに展開し、BtoBにおけるリユースモデル構築を目指し実施するもので、事業者の使用済みプラスチック容器の回収、洗浄、内容物の充填、販売までのバリューチェーンの仕組みをECの配送スキームを活用しコストを抑えて構築することを目指している。

10月2日からは、兵庫県西宮市と共同で「Loop Professional for ASKUL」の実証実験を開始する。アスクルと西宮市が連携して公共施設のプラスチックごみ削減につながる取り組みを行い、市民や市職員への啓発を進めていくため、まずは同市の環境学習サポートセンター、環境事業部庁舎、美化第2課事務所、美化第3課事務所の4拠点で使用されている業務用除菌剤、泡ハンドソープの容器の回収からスタートする。

アスクルは、従来西宮市が各拠点で保管していた対象商品の使用済み容器の商品配達時における回収とアスクルの物流拠点への集約、回収した容器の拠点・個数の記録と情報管理、分別状況の確認と洗浄施設への引き渡しを担う。

一方、西宮市は、使用済み容器の分別・保管と配送ドライバーへの引渡しを行うとともに、西宮市民への認知拡大とゼロ・ウェイスト社会の実現に向けた取り組みを実施する。

実証実験において、容器の耐久性やリユースによるCO2やごみの削減量、対象商品へのニーズ、リユースモデルにおける課題点を確認し、実用化の可否を検討する。

西宮市は、2021年2月に表明した「プラスチックごみ削減運動」の推進を具体化するため、「プラスチック・スマート・アクションにしのみや」を策定し、市民、事業者、行政の参画と協働により、プラスチックごみの削減に向けて行動していくことを目指している。その取り組みの1つとして、2022年10月20日にテラサイクルジャパンとの「ゼロ・ウェイスト社会の実現に向けた連携に関する協定」を締結している。



このほど、プラスチック製品の廃棄削減と資源循環型社会の実現を推進するため、自治体としては初めて、アスクルの手がける本実証実験への参加決定に至ったとしており、限りある資源の有効活用を目指して取り組みを推進する考えを示した。

アスクルは、これからも持続可能な社会の実現に向け、サプライチェーン全体の資源循環を促進し、環境保全や社会課題解決を考えたサステナブルな「エシカルeコマース」サービスを提供していくとしている。




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