2023.09.02

食器の卸販売「チップス」、少人数で海外の卸展開に成果 「スーパーデリバリー」を導入

佐久間昇社長(写真右)

チップスは2016年に設立し、美濃焼で製作したオリジナルブランドの食器の卸売りを手掛けている。

「また使いたくなる器」をテーマに、形や色、素材、価格にこだわる。「いつもの料理がいつもよりおいしそうに見えるようなテーブルの上だけでなく生活空間もすてきに変える」(佐久間昇社長)ことをビジョンに掲げる。

コンセプトの異なる6つのブランドを手掛ける。

主力ブランド「CHIPS MUG.SERIES」はシンプルで機能性の高いデザインがコンセプト。豊富なカラーバリエーションも特徴だ。

別なブランド「Ancient Pottery(エイシェントポタリー)」は、新品ではあるものの、使い古したような味のあるアンティーク調のデザインが特徴だ。

このほか、美濃焼の伝統を織り交ぜた「Heuge~ひょうげ~」、カフェをコンセプトにした「BRICKS(ブリックス)」、再生土を使った「SAI8(サイ)」、食の専門家である菱沼未央氏と作るプロジェクト「パンとごはんと…(BREAD AND RICE)」といったブランドを用意している。

ブランディングで価値観を伝えることに力を注ぐ。SNSを毎日更新し、陶磁器を料理で利用する空間を中心に訴求している。ブランドごとに包装を用意して、プレゼント用の利便性を高める。ネットショップの場合は、配送時の破損リスクがあるため、箱があることでリスク軽減にもつなげる。

卸先の新規開拓については、年2回の展示会の出展に加え、日々更新しているSNSからの問い合わせが中心だ。インテリアショップやECサイトを運営するネットショップなどの卸先にはコンセプトに合ったブランドを選んでもらえるようにしている。コロナ禍をきっかけにECが全体の卸先の6割を超えたという。


海外卸売りは「スーパーデリバリー」


創業当時から海外では和文化が人気で、仕入れのニーズが高いことから、国内だけでなく海外への輸出を計画していた。

スタッフは佐久間社長と企画開発担当の社員の2人。佐久間社長は陶磁器の販売に携わっていた前職の経験から「スーパーデリバリー」の利便性の高さや少人数でも海外輸出が効率よくできる仕組みを知っていたことから、創業直後の2017年にラクーンコマースの「スーパーデリバリー」を導入した。

コロナ禍前にジェトロの紹介で、オーストラリアでPRする機会があり、ここから海外企業からの引き合いが一気に増えたという。

コロナ禍で海外のバイヤーが買い付けに来ることができなくなり、ウェブ経由で仕入れができる「スーパーデリバリー」の利用が増えたようだ。

SNS経由で海外から仕入れを希望する問い合わせについては、ラクーンコマースが用意する定型文を利用してスーパーデリバリーに誘導した。

佐久間社長は「書類の整備や決済、物流の手配、言語対応などの手間をかけず、専門のスタッフを配置することがなく海外展開ができるメリットは大きい」と話す。海外へ輸出する場合に必要な工数が削減できるほか、「未回収リスクゼロで、国内手続きのみで対応でき、安心感がある」(佐久間社長)と付け加える。

海外は、オーストラリア、カナダ、米国、英国、フランス、ニュージーランド、中華圏(台湾、香港、マカオ)、韓国に展開する。特に北米や台湾で売れているという。

現在は全体の3割が海外売上となっており、そのうち7割がスーパーデリバリーによるものだ。3年以内には海外売上を全体の5割に引き上げることを目標に、海外展示会での出展にも力を注いでいく。


【「スーパーデリバリー」サービス概要】

ラクーンコマースが提供する「スーパーデリバリー」はサプライヤーとバイヤーが利用する卸・仕入れサイト。国内のほか、海外でもアジア・北米を中心に12万社以上(2023年4月)の会員を抱え、BtoBでの越境ECをサポートしている。初期費用・月会費無料で出展でき、発生するのは取引金額に合わせたシステム利用料のみ。代金回収から輸出作業までワンストップでサービス提供しているので、越境ECに不慣れでも世界中の事業者と取引が可能になり販路が拡大できる。

■「スーパーデリバリー」
https://biz-lp.superdelivery.com/orosy






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