雑誌「男の隠れ家」を発行する三栄は2023年4月に、誌面と連動したECサイト「男の隠れ家PREMIUM」をオープンした。雑誌の取材を通じて発掘した上質な商品を展開している。
同社が発行する「男の隠れ家」は、創刊30年以上となるライフスタイル雑誌だ。主に40～60代の男性をターゲット層とし、発行部数は5万部。2019年からデジタル版も発行し、情報発信力を強化している。2023年4月には、雑誌以外のビジネスの間口を広げるため、ECサイトを開設した。
ECサイトの強みは、雑誌の取材を通じて得られた情報を、商品の訴求に生かしていること。「紹介した商品の背景やストーリーに共感し購入するユーザーが多い。雑誌編集で培った読み物として面白い情報発信には自信がある」（「男の隠れ家」プロデューサ― 遠藤和宏氏）と話す。
発信した記事情報が、実際にユーザーの購買動機となっているほか、ECサイトへの集客にもなっている。
記事で紹介し、EC展開する商品について、編集部では「良いと思ったものだけを取り上げている。大手ECのアルゴリズム的なお薦めとは異なる、良い意味で人間味のある商品をラインアップした。質を求める読者に認めてもらえるような商品を用意している」（同）。この結果、上質な商品の掘り起こしと、顧客単価アップにつながった。
また、地方への精力的な取材を通じ、「ローカルな隠れた商品を発掘している」（同）。大手ECサイトでは販売されていない商品を、「男の隠れ家PREMIUM」で見つけることができるのも強みだ。
今後は、地方自治体などと協力したイベントの開催で、リアルでの訴求を進めていく考え。「ECをきっかけに、商材ごとのイベントにつなげていく」（同）と話す。また、リアルイベントを通じた、ビジネスマッチングにも貢献していきたいと意気込んでいる。
