楽器関連のECサイト「chuya-online(チューヤオンライン)」を運営する、プラグインの2023年3月期におけるEC売上高は前期比22.6%増の29億2000万円となった。外部倉庫を活用し、輸送コストや納期を圧縮できたことが増収に寄与したという。執行役員の久保山哲氏に、今期の振り返りと今後の展開について聞いた。
――ECサイトの特徴は?
楽器本体だけではなく、チューナーなど周辺小物の種類の豊富さが特徴だ。他サイトでは探しにくい、ねじや弦などのニッチなアイテムも幅広くそろえているのが強みだ。
――品数が多いと商品管理が大変だと聞く。御社ではどのような取り組みをしているか?
当社では商品管理のシステムを自社で構築した。外注も検討したが、費用面や柔軟性で自社製が良いと判断した。日々の細かい調整やトラブル時の対応などを社内のコミュニケーションで解決できる。
価格設定も送料込みで利益が出るようにシステム上で計算している。より作業効率が上がるようなシステムにできるよう、データのひも付けを自動化するなどのアップデートをしていきたい。
――売り上げ拡大の主な要因は?
これまでは北九州の自社物流拠点から商品を発送していたが、2021年に埼玉の外部倉庫を契約した。最近はその拠点の運用が軌道に乗ったことで、輸送コストの削減と、関東圏への納期の短縮を実現し、社内のリソースも営業面など有効に回せるようになった。出荷先の多くが関東圏なので、翌日配達エリアが拡大し、ユーザーの満足度の向上にもつながったと思う。
特需後も成長へ
――アフターコロナの所感は?
コロナ禍に増えた「おうち時間」で楽器を始める人が増えた。しかし最近は外出もしやすくなり、特需が終わった印象だ。EC専門の楽器店としてマイナスの影響は感じている。
――今後、強化することは?
ユーザー向けに配布しているクーポンやポイントの分析が甘かったと思うので、細かく把握できるようにしたい。より効果的な施策を仕掛けることができれば、特需後の成長にもつなげられると思う。
外部倉庫で取り扱える品目や預ける量を増やすことで、さらに便利に使っていただけるようなECサイトを目指す。