2023.08.28

飲食店向け仕入れサイト「魚ポチ」、新たな輸送テクノロジー「魚活ボックス」活用 高鮮度の魚を低コストで提供

「生鮮流通に新しい循環を」をビジョンに掲げるフーディソンは8月12日、飲食店向け仕入れサイト「魚ポチ(うおぽち)」において、魚の活きを維持できる新たな活魚輸送システム「魚活(ぎょかつ)ボックス」を活用した流通を開始した。食へのニーズの細分化が進むなか、飲食店のニーズを満たす商品を新しいテクノロジーを用いて展開するとし、鮮度にこだわりのある飲食店のニーズに対応を図った。

フーディソンの運営する「魚ポチ」は、飲食店向けに全国の産地や中央卸売市場から仕入れた商品をインターネットを介して卸売りするサービス。飲食店は各店コンセプトやメニューが違ううえ、店頭在庫に応じて日々の仕入れを管理する必要がある。その多くは自ら卸売市場に出向き、在庫の補充や当日のメニューを考えている。

「魚ポチ」ではあらゆる飲食店の経営者、およびスタッフがより店舗運営に集中できるよう、日々3000種類以上の商品をWebサイト上で販売。魚1尾から商品を店頭まで配送する。現在は、登録店舗が2万5000店舗を超え、多くの店舗に利用されている。


▲2万5000店が登録する「魚ポチ」

このほど、鮮度にこだわりのある飲食店のニーズに対応するため、新たな活魚輸送システム「魚活ボックス」を活用した流通を開始した。

「魚活ボックス」は、日建リース工業が開発した新鮮なまま運べる活魚輸送機器。魚は大きく分けて「活魚」「鮮魚」「冷凍魚」の3通りの方法で流通しているが、生きた魚を輸送することは非常に難しく、コストもかかることから、活魚での流通は少ないのが現状だ。「魚活ボックス」は、こうした課題の解消を目的に開発され、魚の鮮度を維持しながら活魚を運ぶことができる。魚活ボックスで輸送された活魚は、豊洲市場からも非常に品質が高いと好評を得ている。


▲「魚活ボックス」で輸送

「魚ポチ」では、四国から活きたハモを「魚活ボックス」を用いて仕入れ、出荷日当日に活け締め処理をし、高鮮度の状態で飲食店へ納品。高鮮度のハモは都内では非常に価値が高く、「魚活ボックス」によってコストも抑えられるため、飲食店からは「手軽な価格帯で高鮮度のハモが手に入るのはありがたい」と好評を得ている。食へのニーズの細分化が進むなか、今後も飲食店のニーズを満たす商品を新しいテクノロジーを用いて展開していく考えを示した。


▲魚活ボックスで仕入れたハモの商品詳細画面

「魚活ボックス」の活用について、フーディソン 魚ポチ事業部 マーチャンダイジンググループ 上村大樹氏は、「これまでの活魚輸送は、水温の維持が難しい、発泡スチロールに入る小さめのサイズの魚しか仕入れられない、当社に到着するまでに魚が死んでしまうなど、課題だらけで仕入れづらい現状でした。『魚活ボックス』を活用することで、一度に大量かつ大きめ(2~3kg台)の活魚の仕入れでき、また輸送の際に比較的水温も保てることで、発泡スチロールに比べ魚がストレスを感じにくい環境だといったメリットがありました」と話す。

さらに上村氏は、「活魚を仕入れられることで、飲食店のお客様にも、出荷当日の朝に活け締めした高鮮度の魚が提供できるようになりました。また、当社で活け締めをした時間を正確にお客様へ伝えることができるので信頼にもつながります。今後は活魚輸送が難しいイカなども仕入れ、商品の幅をひろげていきたいと考えてます」とコメントした。




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