2023.03.03

電通「2022年 日本の広告費」、ネット広告14.3%増の3.9兆円に 総広告費は過去最高の7.1兆円


インターネット広告費の詳細


・インターネット広告媒体費

インターネット広告媒体費は、2兆4801億円(前年比115.0%)と、ウクライナ情勢や円安、原材料高騰などの影響を受けたものの、前年に続き大きく増加した。特にインストリーム広告を中心とした動画広告の需要増が寄与した。企業の販売促進活動におけるデジタル活用が進み、リスティング広告やデジタル販促も好調だった。

マスコミ4媒体由来のデジタル広告費(インターネット広告媒体費の一部)は1211億円、前年比114.1%と、前年に続く2桁の伸長となった。新聞デジタルは221億円(前年比103.8%)だった。北京2022冬季オリンピック・パラリンピックや第26回参議院議員通常選挙、FIFAワールドカップカタール2022などが広告費の押し上げに寄与した。

雑誌デジタルは610億円(前年比105.2%)だった。前年に続き主要ウェブメディアのPV(ページビュー)/UU(ユニークユーザー)数、主要SNSのフォロワー数などは増加した。DMP(データマネジメントプラットフォーム)を活用したデータソリューション、SNS活用施策、オンラインイベント、広告主のオウンドコンテンツ制作、動画制作・配信など、出版社のデータ・コンテンツ制作力・コミュニティ力を強みとした企画が行われ、出版系Webメディアおよび雑誌ブランド・コンテンツ事業の成長を大きく後押しした。また、ファン・コミュニティの事業化、コミック事業の拡大、XR(クロスリアリティ)およびメタバース領域、NFT(非代替性トークン)を活用した価値の高いコンテンツの取引など、「出版IP(知的財産)」を駆使した様々な研究開発が進んだ。

ラジオデジタルは22億円(前年比157.1%)だった。Podcastをはじめとする音声メディアが引き続き注目を集め、radikoも含むラジオデジタル広告への新規出稿と継続出稿がみられた。また、プレミアムオーディオ広告も堅調に推移した。

テレビメディアデジタルは358億円(前年比140.9%)だった。テレビメディアデジタルのうち、「テレビメディア関連動画広告」は350億円(前年比140.6%)と、前年に続き大きく増加した。話題性のあるドラマなども寄与し、TVerは再生数・ユーザー数ともに順調に伸長した。またABEMAも、FIFAワールドカップカタール2022期間中に過去最高となるWAU(Weekly Active Users=週間アクティブユーザー)を記録し規模を拡大した。


・物販系ECプラットフォーム広告費

「日本の広告費」における物販系ECプラットフォーム広告費は、1908億円(前年比117.0%)
だった。物販系ECプラットフォームの利用が消費者の中で定着したことで、前年に続き増加した。日用品や食料品を中心に堅調で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され徐々に外出の機会が増えたことにより、コスメやファッション、旅行、スポーツ関連商品の流通量が増加した。


・インターネット広告制作費

インターネット広告制作費は4203億円(前年比109.2%)だった。オンライン消費スタイルの定着と企業の本格的なデジタル化の潮流を受けて、インターネット広告の制作需要が高まった。制作物別では、Web動画広告の伸長が顕著で、中でも動画サイトやアプリなどのコンテンツ内に表示されるインストリーム動画広告の制作数が大きく増加した。

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