2023.02.03

百戦錬磨のマーケターが仕掛けるコメD2C『MAITUNE』 無理な広告・CRMはやらない!健全に育つD2Cとは?

藤原尚也CEO(左)

大手化粧品ブランドや大手アパレル企業のEC事業の成長を支援してきたアクティブの藤原尚也CEOは昨年12月、コメのECサイト「MAITUNE(マイチューン)」の本格展開を開始した。百戦錬磨のマーケターが自ら手掛けたEC事業の戦略には、スモールスタートで長期的な成長を狙うD2C立ち上げのヒントが詰まっていた。

「MAITUNE」は高級料亭でも使用される高級米「五郎兵衛米」を販売するECサイト。健康美を競うコンテスト「ベストボディ・ジャパン」にも出場し、体作りに気を使う藤原CEOが「玄米でもおいしい」と自ら愛用しているコメを多くの人に食べてもらいたいと考え、ECサイトを立ち上げた。


▲希少な「五郎兵衛米」を販売する「MAITUNE」

健康を意識する30代前後の顧客をターゲットに、「玄米」「白米」「ブレンド米(玄米と白米のブレンド)」の3種を2キログラムのパッケージで販売している。ターゲットのライフスタイルに合わせて、「コメびつ」がなくても、手軽に保管できるようなパッケージや容量にしている。



口コミのきっかけを作るために、Amazon Prime Videoの恋愛リアリティ番組「バチェラー・ジャパン シーズン4」に出演した、白川理桜さんを公式アンバサダーに起用した。

「白川さんはコメが大好きな一方で、趣味のコスプレのために体型維持にも気を使っている。ターゲットの年代にも合っており、共感を呼ぶキャラクターだと思い、起用を決めた」(藤原CEO)と話す。


▲「バチェラー・ジャパン」に出演した白川理桜さんを公式アンバサダーに起用(白川さんのその他の写真はコチラ

ブランドの認知拡大のためにアンバサダーは起用したが、広告による集客には注力しないという。口コミによってブランドの認知を広げ、商品力や豊かな顧客体験を提供することで、健全にファンを増やしていく戦略だ。

「多くのD2Cがウェブ広告やSNS広告で顧客を獲得し、サブスクプランでLTVを高めるビジネスモデルを採用している。新規獲得のためにさまざまなマーケテイング手法を展開し、ある一定の規模になると顧客をつなぎ止めるためのCRMに走る。それを繰り返すうちに、成長が止まってしまうケースが多い。『MAITUNE』では顧客の囲い込みはしない。そのため一般的な定期型のサブスクはやらない」(同)と言う。


▲藤原尚也CEO

商品の魅力を広く発信するため、コンテンツマーケティングには注力している。記事コンテンツで商品の特徴を伝えるとともに、サイトのSEO効果を高める狙いもある。

購入者を「五郎兵衛米」の産地である長野県佐久市に招待し、コメ作りを体験する機会を提供する計画だ。生産者のこだわりや、産地の自然の恵みなどを体験してもらい、商品の魅力をより深く知ってもらいたい考えだ。

さらに購入者は、コメの年間購入量の10%分を児童施設へ寄付するプログラムに自動的に参加できるようにしている。社会貢献という付加価値を提供することで、顧客との関係強化を図る。

初年度はコンテンツをためるともに、SNSやアンバサダーを駆使した情報発信に注力する。ファンの拡大を進め、2年目に年商1億円の達成を目指す計画だ。





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