2023.01.31

【ECモール 2023年の展望】『楽天市場』常務執行役員 松村亮氏「品質向上、グループ連携さらに加速」

楽天グループ 常務執行役員 マーケットプレイス事業 デピュティヴァイスプレジデント 松村亮氏

【ECソリューションマップ2023「モール&プラットフォーム編」】


昨年、25周年を迎えた楽天グループが運営する「楽天市場」は、コロナ禍の追い風がやみつつある中でも、力強い成長を継続している。成長継続は、①品質向上 ②グループとの連携強化 ③ブランド商品の拡充――の3要素が嚙み合った結果だという。2023年もその強みをどう伸ばしていくのか。常務執行役員 マーケットプレイス事業デピュティヴァイスプレジデントの松村亮氏に聞いた。



――25周年を迎えた2022年の「楽天市場」の実績は?

2020年からコロナ禍に入り、流通総額や顧客数は大きく伸びた。2022年はコロナ禍も一巡、二巡したタイミングだったので、どれくらい成長を継続できるかチャレンジだと思っていた。結果的には堅調な成長を継続することができた。

成長を継続できた要素としては、大きくは3つあると思う。1つは「楽天市場の品質のさらなる向上」、2つ目は「楽天グループのエコシステムとのより一層の連携強化」、3つ目は「ブランド商品の拡充」だ。

――「楽天市場の品質のさらなる向上」は具体的にどういうことか?

「楽天市場」の品質は、継続的に改善してきたが、ここ数年で一段と改善が進んだ。

特に大きかったのが共通の「送料込みライン」の導入だ。「送料込みライン」に対応している店舗は、直近で発表している数値で、全体の93.3%(2022年7月時点)に達している。ユーザーからしても「楽天市場」はほぼ、「3980円以上(税込)買えば送料が無料になるよね」と認識されてきている。

以前から「ポイントは強いが、買いづらい、探しづらい」というイメージもあったが、NPS(ネットプロモータースコア)を細かく分析しながら、サーチの使いやすさや商品ページの見やすさなど、地道な改善を積み上げたことで、全体としてUX(ユーザーエクスペリエンス)は、格段に改善している。

――出店者の個性と全体の統一性のバランスについてはどう考えているか?

統一性と多様性のバランスについては、重視している。店舗が個性を発揮していただく部分は必要だが、ユーザーからすると店舗ごとにバラバラだと使いづらい面もあり、ある程度統一している。昔は今ほど構造化されていない状態だったが、決済から始まり、配送分野などルールの統一化が、ここ5年くらいで進んだ。

同時に店舗の個性を発揮していただく部分として、店舗ページもところどころ刷新している。共通のフレームはあるものの、店舗が個性を発揮しやすいようにフレームが変化しており、両軸のバランスが整理されていった。

全部を統一化してしまうとマーケットプレイスである意味がなくなる。統一性の中に個性をいかに上乗せしていけるかを追求している。

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