美容室「ALBUM（アルバム）」を展開するオニカムは、公式美容通販サイト「ALBUM ONLINE STORE（アルバム オンラインストア）」を運営している。
槇野光昭代表は、「当社は、”日本で一番予約される美容室”」だと話す。「ホットペッパービューティーアワード2022」においては、最高賞である「GOLD Prize」を受賞。全国4万6000店舗中、ネット予約売り上げが1位になるなど、数々の受賞歴があるという。
美容室の成長の一因に、「SNSを活用したマーケティング」があるとしている。美容室のスタッフのSNSアカウントを含めると、累計フォロワー数は約170万だという。公式アカウントのフォロワー数は約45万。2014年頃からインスタグラムに注目していたそうだ。槇野代表自らが統括し、組織的にマーケティングを行ったという。「売れている美容師100～200人のアカウントを毎日チェックし、バズっている投稿の要素を取り入れ、自社グループのSNS発信でも生かした」（槇野光昭代表）と話す。「公式アカウントでは、各スタッフのアカウントで特に反応の良かった投稿を厳選して発信している」と言う。
同社は、美容室で取り引きを行っている大手メーカーから誘われ、2019年に楽天市場へ出店し、ECに参戦した。翌年には自社ECサイトをオープン。現在同サイトでは、サロン専売品である、プロフェッショナルな商品を販売している。
2022年12月期のEC売上高は、前期比50％増の約6億円だったという。現在3～4割がリピーターで、新規顧客開拓に注力しているそうだ。3年で急成長を遂げている背景には、美容室「ALBUM」ブランドへの信頼や、ECの品ぞろえなどがあるという。
「ECモールでは、並行輸入品や、非公式ルートのサロン専売品といった、商品の出品が横行している。その中で、サロン専売品を、正規ルートで、ECにおいて販売することは大きな商機になると考えている」と言う。「メーカーにも、サロンにも、消費者にもメリットがある」（同）としている。
同サイトでは、通常はサロンでしか購入できない、サロン専売のプロフェッショナル商材をラインアップしている。同社の美容室の実績が強力な地盤となり、ECでの販売に至ったようだ。
今年1月21日には、世界150カ国以上で展開しているサロン専用のヘアケアブランド「OLAPLEX（オラプレックス）」の、同サイトでの販売を開始した。
▲「OLAPLEX」の販売を開始「同ブランドのインスタグラムフォロワー数は241万人と、非常に注目度が高い。今回、1年以上交渉を重ね、日本で初めて、公式ルートでオンライン販売を行うことになった」と話す。
同社のECでは在庫は持たず、システム連携により、商品をメーカーから直接配送している。
今後は、美容室と自社ECの連携や、OMOの活用などにも注力していくとしている。新しいECプラットフォームへの進出や、スキンケアといった新規ジャンルの商品の取り扱いも検討しているという。
