2023.01.24

「クーポン訴求のLPではCVRが2倍にも」ZENBJAPAN高橋氏×BELTA武川氏×インフィニタス・バリュー田村氏【「D2Cフォーラム」ダイジェスト<第6回>】


資産となる施策


太宰:
事業進展長期として話を聞くのは、ベルタの武川克己氏だ。

武川:当社は、「ライフステージをあなたと育む」というコンセプトのもと、女性のライフステージに沿った商品展開、顧客のサポートを行っている。具体的には、プレコンセプションケア、マタニティケア、産後ケア、ベビーケアといった商品ジャンルに加えて、思春期、成熟期、更年期、老年期など、ライフステージも軸にしている。

太宰:新規顧客獲得のためのコア概念について聞きたい。

武川:一つ目に、「ベルタ」というブランドを世の中に届ける義務があると考えている。二つ目に、広告を止めても新規顧客が獲得できるブランドを作ってきたい。三つ目が、すぐに成果の出る広告施策は、すぐに真似をされてすぐに終わると考えている。そのため、半年後も継続的に成果が出る施策に時間を使っている。


▲BELTAの武川氏

また、広告を打たなくても新規顧客を獲得するために必要なことが、SEOだと考えている。主要となるビッグキーワード、ロングテールキーワード、潜在層キーワードなどでSEOをきちんと行うことで、オーガニック検索流入は直近1年で10倍、6カ月で4.5倍といった成果が出ている。

太宰:ブランド資産の構築に複利成果を狙っているということだが。

武川:直接成果が出ない、すぐに成果が出ない、そもそも成果が分からない、面倒くさいといった、ヒト・モノ・カネのリソースがかかる施策にも投資をしている。具体的には、NPO法人や専門団体に寄付をして広告効果を高めたり、地方自治体に営業をかけて開拓したりしている。「権威性を作れるもの」「ウェブで残るもの」「ポジショニングを作れるもの」など、継続性があって資産としてたまるものを前提としており、当社では、ブランド力向上や認知のための予算も、すべて原価CPOの範囲内で扱っている。

太宰:潜在層へのアプローチとして、スリーステップマーケティングも行っているそうだが。

武川:専門家による相談や診断でユーザーを獲得して、サンプルにより新規顧客を獲得。その後、本商品の新規顧客を獲得するという2~3年越しのナーチャリングを実践している。ちなみに、当社には管理栄養士、薬剤師、妊活マイスター、不妊治療保険適用スペシャリスト、保育士など多くの専門家が、正社員としてユーザーや顧客をサポートしている。


広告の内製化


太宰:
事業進展初期の田村氏にとって、高橋氏や武川氏の話で参考になる点はあったか?

田村:当社は、広告代理店にまだ依存しているような状態だ。ベルタでは多くを内製化しているようだが、当社でも先々は内製できる体制を作っていきたいと考えている。事業進展中期の高橋氏はどのような状態か。

高橋:立ち上げ期は、多額の広告費を使っていたが。直近は以前の半分程度の広告費になってきている。数年先には、広告費を売り上げの10~20%にすることを目指したいと考えている。現在は、体制の筋肉質化を図っており、内製化する業務を増やしている段階だ。

太宰:事業進展長期の武川氏から、田村氏にアドバイスはあるか?

武川 あえてアドバイスするなら、内製化やSEO、ツーステップのような取り組み、また広告代理店との協力など、「再現性のある広告」がどういったものかという点について重視していることだ。

太宰:事業を始めたばかりの会社にとっても、「社内の体制」「人材の問題」「広告代理店か内製か」など、数年後には必ず直面するキーワードになるだろう。いまから準備をしておくことで、成功を導き出すことができるのではないか。




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