EC売上の半数はアプリ経由
――ECへの集客についてはどのように行っているか?
自社ECサイトの売り上げの約半分は、アプリ経由だ。当社には全国に実店舗が933店(2022年8月末時点)ある。全国の実店舗でアプリをダウンロードした顧客が、ECにも流入している。
消費者には、アプリや、インスタグラムなどのSNS、メルマガ、LINEなど、さまざまなデジタル接点から、アプローチを行っている。
広告でしかリーチできない顧客もいるので、インスタグCIAOPANICラムやグーグルリスティング広Discoat告、Kastaneアフェリエイトは活用し、成長に必要な広告費は投じてはいる。
ただし、当社ではあくまで「SNS」「店舗」を起点にし、ECの集客に成功している。
――貴社のブランドについても聞きたい。
現在50以上のブランドを展開している。「CIAOPANIC」「mysticc(ミスティック)」「Discoat(ディスコート)」「Kastane(カスタネ)」などのブランドだ。ECの売り上げの大半は、アパレルが占めている。
300円の商品を中心に販売を行う「3COINS」ブランドは、知名度が高く、全社売り上げには大きく寄与している。2022年2月期の連結売上高は前23.7%増の1342億円だったが、その内、「3COINS」ブランドの売り上げは、前46.2%増の379億6000万円だった。
ただ、「3COINS」は2年前にECでの販売をスタートしたばかりだ。そのため、EC全体の売り上げに占める、「3COINS」の割合は1割未満にすぎない。「3COINS」はECよりも、リアル店舗での販売が強い。結果的にEC送客にもつながってはいる。
スタッフ1600人がSNSで活動
――スタッフがSNSの運用を行っているということだが。
当社スタッフのうち、約1600人がSNSを運用している。現在、当社のスタッフのSNSの総フォロワー数は約800万人だ。そのうち約7割が、インスタグラムのフォロワーとなっている。
2015年頃から、現在にいたるまで徐々に、SNS活用の仕組みを整えてきた。スタッフの活動への明確な評価や、モチベーションアップにつながる仕組みを作っている。
――ECと店舗の連携についても聞きたい。
当社では「ECだけ伸ばす」という考え方はせず、全社的な成長を意識して、SNS活用に注力している。
自社サイトやアプリでは、スタッフのコーディネートやブログ、ライブ配信など、豊富なコンテンツも展開している。
こうしたコンテンツや、スタッフによるSNSなどの発信は、ECの順調な成長の一因となっている。