2020.12.17

〈消費者委員会〉不当表示への対応を議論 コロナへの効果効能うたう表示が問題に

消費者委員会は12月3日、本会議を開催し、コロナ禍で増加する不当表示への対応策について議論した。会合では、新型コロナウイルスの感染予防などの効果効能をうたう悪質な広告表示への対応が必要だという意見が多数上った。
 
消費者庁はこれまでに、インターネット広告の緊急監視に基づき3度の改善要請を実施してきた(図1参照)。改善要請をしたのは、合計99社125品目に上っている。景品表示法の観点から、3月と5月に合計7社に対し再発防止の指導を行った。
 
会議の中で、生駒芳子委員(ファッションジャーナリスト)が、「今後も、コロナ関連を標榜する広告が増えると思うが、どのように不当な表示と見極めていくのか」という疑問を投げかけたことに対し、消費者庁は、「健康食品や除菌剤など現時点で新型コロナウイルスの治療や予防で有効性を示す合理的根拠を立証できる商品を確認できていない」(表示対策課・西川康一課長)と回答した。
 
また、今年5月に、手指用洗浄ジェルを販売していた事業者を、8月には携帯型の空間除菌を販売していた事業者を景品表示法違反で措置命令したことを不当な表示の事例として挙げている。
 
木村たま代委員(主婦連合会事務局長)は、「不当表示やデマに惑わされないような仕組みが必要だ」と主張し、消費者庁消費者政策課の内藤茂雄課長は、「今後は、ITやAIを活用し、効率的に情報伝達をできるようにする仕組みの導入を検討している」と説明した。
 
消費者委事務局は、「今回の本会議をきっかけに景品表示法を改正するなどの考えはない。今後は、消費者庁の取組などに応じて、議論を進めていく」としている。

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