2020.12.11

【「SDGs」3店舗のリアル】『伝える』ことで『顧客の負』も『応援』に 楽天が啓蒙イベント開催

写真左から「横浜チョコレートのバニラビーンズ」の鈴木愛氏、「イーザッカマニアストアーズ」の浅野かおり氏、「バリューブックス」の鳥居希氏



【イーザッカマニアストアーズ】

店舗の売りだった人気同梱物を廃止


レディースファッションECサイト「イーザッカマニアストアーズ」を運営するズーティ―は、セミナーで実践事例を紹介した。

「イーザッカマニアストアーズ」では今年6月、購入者に好評だった同梱物を見直すことを発表。同梱物の一部を廃止した理由は「環境問題」だという。


「イーザッカマニアストアーズ」

バイヤーの浅野かおり氏は、「レビューの8割以上が『同梱物がいい』という内容だったと思う。店舗の売りともいえる同梱物の一部をやめる決断をしたのは、モヤモヤが生まれてきたから。スタッフに胸を張って説明できないことを続けていくことはできないと思った」と話す。


ズーティー バイヤー 浅野かおり氏

同社の同梱物は、オリジナルデザインのクリアファイルに納品書、手書きのお礼を書いたコースターなどを入れていた。もともと、納品書をビニール袋に入れて同梱していたが、再利用できるものにしようと考え、クリアファイルを制作した。お礼状もコースターにお礼を書くことで、再利用できると考えた。

「再利用してほしいというエコロジーな気持ちでクリアファイルを入れていたが、次第にモヤモヤが生まれてきた。セミナーなどで同梱物の話をする機会でも、昔はうれしそうに話をできていたが、そうではなくなってきた。私はもともと『SDGs』などへの意識が高い方ではないが、自分の違和感から見直すことを検討し、昨年から社内で話を続けてきた」(同)と言う。


多く顧客が理解を示す反応


一部の同梱物を廃止した結果、レビューで「残念」「買う理由がなくなった」という声も少しはあったという。ただ、ウェブサイトや同梱している情報紙の中で、廃止を決めた理由などをしっかりと説明したことで、「応援している」という声が多く寄せられたという。


同梱物見直しの理由をさまざまなチャネルで紹介

「売り上げへの影響は正直分からない。一部の同梱物がなくなったことで離れたお客さまもゼロではないと思う。ただ、私たちのやめる理由を読んでいただき、納得できないという人はほとんどいなかったと思う」(同)と振り返る。

社内でも驚きはあったというが、反対の声は上がらなかったという。スタッフにもしっかりと説明したことで、理解を得ることができた。

「同梱物を作成したり、セットしたりする手間が減ったことで、その労力を別のサービスに費やすことができるということも理解を得られたポイントだと思う。環境のこともあるが、自分たちの商売を続けていくための選択であることも伝えた」(同)と話す。


「イーザッカマニアストアーズ」
https://www.rakuten.ne.jp/gold/e-zakkamania/

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