2020.08.24

【最高の顧客体験を提供する「実感型」デジタルマーケティング】第3回「『実感型』マーケティングの成功事例②」

プラスアルファ・コンサルティング山崎雄司執行役員


画一化せず、目の前の顧客に寄り添うマーケティングを


化粧品や健康食品など、単品通販を手掛ける企業は数えきれないほどあります。顧客の取り合いは、日々熾烈になっています。先に取り上げたステップメールなど、各企業の施策は似通っており、コモディティー化(同質化)してしまっているのが現状であり、施策を行うだけでは競合他社との差別化が難しくなっています。

初回のお試し品を使い切ったと思われる顧客に対しては、パターン化して次の商品の案内や定期購入を勧める企業がほとんどです。しかし、このときの顧客心理はいろいろなパターンがあるわけです。「全然効果を感じられなかった。次の商品を買う気はとても起きない」という人もいるし、「すごく良かった。すぐに定期コースに加入したい」という人もいます。

企業からすれば、お試し品を使う顧客は全て、同じ商品を同じ期間使い続け、ステップメールなどで均一のコミュニケーションをとっています。それなのになぜ、商品を使い切った後、顧客の感想が全く異なるのか。これは、商品を使う前に持っていた期待の大きさが結果(感想)を大きく左右しているからです。

期待の大きさは、先にお話した、顧客ごとの悩み(=課題解決)にも結び付きます。冒頭の化粧品事業者は顧客一人一人が持つ期待や悩みのヒアリングに力を注ぎ、成果につなげました。

ネット上では顧客の顔が見えないので、紋切り型の顧客フォローをしてしまいやすいですが、だからこそ視点を変えて取り組むことで成果につながったと言えるのではないでしょうか?ぜひ、この記事をご覧になった方には、顧客に寄り添ったデジタルマーケティングを心掛けて、顧客を「実感」していただきたいと思っています。

次回は、連載の最終回です。「実感型マーケティング」を実践するために必要なことをお話します。


「カスタマーリングス」



【著者プロフィール】

山崎雄司(やまざき・ゆうじ)氏

1981年生、東京都生まれ。日本大学経済学部卒、トランスコスモス株式会社に入社。電話やウェブによるマーケティング支援やCRMプロジェクトに従事。2011年、プラスアルファ・コンサルティングに入社。ITを駆使したデータ活用から、マーケティング現場の付加価値を向上させる各種システムの企画・推進のほか、新規事業の企画・開発や既存事業の企画推進、人材育成などを担当する。

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