2024.04.08

アダストリア、EC売上10.1%増の689億円 福田会長「コロナ禍で加速したEC事業が結実」

アダストリアは4月4日、2024年2月期のEC売上高が前期比10.1%増の689億円になったと発表した。EC化率は同0.4ポイント減の28.3%だった。自社ECサイト比率は約15.1%(前期は約15.0%)と拡大している。

福田三千男会長は、「今年度は当社の創立から70周年の節目の年だった。その年に、春先から経済の正常化による追い風もあり、過去最高の連結売上高・営業利益を創ることができた。この成果の背景としては、4回目のチェンジとして2010年から取り組んできたSPA体制と、コロナ禍で加速したEC事業の成果が実ったということがある」と話す。

自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」の会員数は約1750万人(前期末比200万人増)となっており、同社の実店舗やECサイトにおける会員売上比率は約7割と高水準を維持している。



自社ECサイトの売上拡大には、EC専業ブランドを展開する子会社のBUZZWIT(バズウィット)が昨年3月、子供服ブランド「pairmanon(ペアマノン)」を運営するオープンアンドナチュラルを子会社化したことが奏功しているという。

「.st」のマーケットプレイスへの参加ブランドも増えている。2024年2月期末で8社9ブランドが出店している。

木村治社長は、「外部企業に『.st』に参画いただくモール型の事業である、自社ECのオープン化も進捗した。 美容家電、コスメ、シューズ、インナーなど、各カテゴリーごとの有力企業に参加いただいており、運営ノウハウが蓄積されてきたことで、これからさらに拡大していく。当初から実施していた当社スタッフによる商品紹介に加えて、『.st』に広告を出稿いただくなどの取り組みも進んでいる」と話す。

スタッフのインフルエンサー化も推進している。スタッフ個人のSNS総フォロワー数は1年間で倍増し、1000万人に到達した。自社ECサイトの売上高のうち、スタッフコンテンツ「スタッフボード」やSNSを経由した売上高は約3割を占めている。



木村社長は、「スタッフのインフルエンサー化を強化し、SNSフォロワー数の増加に取り組んだ。期初にインセンティブの拡充、教育研修、分析ツールの3つの施策を導入し、スタッフをサポートした。フォロワー数は、ただ増やせばよいものではないが、集中的に取り組んだ施策について、しっかりと結果が出せたことで、次の世代のスタッフのモチベーションも高まり、色々な新しい取り組みへとつながっている」と話す。



「.st」会員の獲得効率の高いOMO型店舗「ドットエスティストア」の出店も強化している。今年2月には、東京23区初となる「ドットエスティストア」を浅草に開設した。2025年2月期も8店舗の出店を計画している。



2024年2月期の連結売上高は前期比13.6%増の2755億9600万円だった。中期経営計画を上方修正し、2026年2月期の目標売上高を2800億円から3100億円に変更した。






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