2024.03.28

「RAGTAG」、スタッフコンテンツの強化で転換率1.5倍超 「EC+取り寄せ」売上は50%超に

ティンパンアレイ 商品グループゼネラルマネージャー ECグループゼネラルマネージャー 桜庭邦洋氏(左)、 デジタルマーケティングチーム マネージャー 泉波奈氏(右)


「ブランドを好きになる」動画を配信


――「visumo」のソリューションを一通り導入してコンテンツを拡充していったのですね。最初に導入した「visumo social」はどのように活用したのですか?

桜庭:「visumo social」を活用し、インスタの当社の公式アカウントの投稿をECサイトに掲載していきました。当時、インスタの公式アカウントの認知がそこまで高くなかったこともあり、サイトに来ていただいているお客さまにも、もっと知っていただきたいという思いがありました。


▲「visumo social」でインスタの投稿をECサイトに掲載

:インスタでは、お薦めの商品を紹介したり、キャンペーンやセールを告知したりしていました。ウェブマガジンの内容をインスタ用に再編集して載せたりもしました。

スタッフの着用画像の投稿が始まってからは、そのスナップを集めて「おすすめの着こなし」として紹介したりもしています。

――「visumo video」を導入して開始した動画投稿では、どのような動画を配信していったのですか?

桜庭:動画は「ブランドをもっと好きになってもらいたい」という思いで活用し始めました。ブランドが好きじゃないと買えないような価格のアイテムも増えてきたこともあり、しっかりとブランドの魅力を動画で伝えようと考えました。

ブランドに詳しいスタッフが、デザイナーさんの思いや、商品の細かい良さなどをしっかり語る動画を配信しています。


▲スタッフが動画でデザイナーの思いや商品の魅力を配信

――リユースは1点ものですが、手間のかかる動画やスタッフコンテンツは割に合わないとは思わなかったですか?

桜庭:これだけ労力をかけて動画を作成して、紹介したアイテムが売れてしまって終わりだともったいないと思い、「ブランドをしっかり伝えよう」というコンセプトで取り組んでいます。

スタッフの投稿では、ブランドの魅力や幅広い取り扱いアイテムを伝えるとともに、「このスタッフの着こなしが好きだな」と思ってもらえたり、「このスタッフが紹介するアイテムなら信頼できる」と思ってもらいたいと考えています。そのため、スタッフごとの投稿画像を閲覧できるようにしており、過去の投稿も着こなしの参考にしてもらい、同じアイテムはなくても似たようなアイテムやブランドを購入するきっかけが作れたらと考えています。


男女の志向に合わせ動画を制作


――どのようにスタッフに動画やスタイリングの投稿を促していったのですか?

:店舗スタッフの中でも写真が得意な人や文章を書くのが好きな人などを店舗内の管理者や実施担当者として選出してもらいました。コンテンツごとにやり方が異なるのですが、動画は出演者個人単位でスケジュールを決めて投稿管理していました。スタイリングは店舗ごとに目標数や投稿日を決めて、その中で誰が投稿するかは店舗に任せていました。

こちらからは10日に1回ぐらいのペースで進捗を確認する連絡を行い、なるべくスケジュール通りに進行できるようにサポートしています。

桜庭:服が好きなスタッフが多いので、特に打ち合わせしなくても服についてならたくさん語れるスタッフがいました。何もしなくてもクオリティーは問題なさそうでしたが、もっとレベルを上げるために研修なども実施しました。

:店舗が投稿したスタイリングや動画に対して「ここが良かった」というフィードバックを細かくしたり、どの投稿の閲覧数が高かったかを共有したりして、投稿してくれたスタッフがやりがいを感じてもらえるようにコミュニケーションを図っています。

「visumo」の管理画面から分析データを参照し、閲覧数が1位の投稿の良かったポイントを伝えたり、この投稿のここは真似してほしいというものがあれば紹介したりしています。逆に「この投稿はアイテムのこの部分をもっと見せてください」と伝えることもあります。

普段はメールでスタッフに情報共有していますが、月1回は店舗のウェブの取りまとめのスタッフと30分くらいオンラインでミーティングもしています。投稿内容だけではなく、ツールの新しい機能や使い方などについても話しています。

――どういうスタッフスタイリングがよく見られていますか?

:「メゾン マルジェラ」や「ドリス ヴァン ノッテン」などの人気ブランドを上手に着こなしているスタッフのスタイリングはよく見られています。「visumo snap」では動画も投稿できるので、スタッフには画像だけではなく、動画もつけてほしいと伝えており、動画で一周回った様子を見せたり、着こなしのテクニックを紹介していたりする投稿も人気があります。


▲「STAFF STYLING」では画像や動画で着こなしを紹介

桜庭:比較的、女性スタッフのスタイリングの方がよく見られています。女性の方がさまざまなスタイリングを参考にしたいというニーズがあるようです。

男性は比較的、好きなブランドが決まっている方が多いようです。そのため、男性スタッフがブランドについてしっかり語っている動画は、そのブランドを好きな男性に響いているように感じます。

:男性スタッフの動画ではブランドのうんちくを語る要素を強めていて、女性スタッフの動画ではブランドの特徴とともに、着こなし方などを伝えるようにしています。見る方の傾向に合わせて、コンテンツの作り方も少しずつ変えていっています。

この感覚はスタイリングや動画でスタッフが身に着けているというよりは、日ごろの接客でお客さまに対して伝えていることを、スタイリングや動画にしてもらっているという感覚です。

――スタッフスタイリングの投稿頻度は?

:メンズとウィメンズの投稿をそれぞれ1日1個ずつ上げるスケジュールを組んでいます。ですので月間60投稿を目標にしていますが、実際は8割くらいの40投稿程がアップできているという状況です。前月を振り返り、余裕のある店舗は投稿回数を増やしたり、調整しています。店舗の状況やモチベーションを確認しながら、うまく投稿してもらえるようにフォローすることを心がけています。


動画編集やサムネ制作は本部が一括管理


――動画やスタイリングの内容についてはスタッフに一任している形ですか?

:最初はスタッフに任せていたのですが、スタッフが自分で編集して、サムネイルも考えてとなると、どうしても営業時間外に残業して作成するというケースもありました。それだと働き方として健全ではないと考え、なるべく営業時間外の作業を減らせるように、特に動画はスタッフに撮影だけしてもらい、編集は私の部署で一括して行うようになりました。

スタッフスタイリングにも動画を入れられるので、簡単な動画はスタイリングの方に入れる形にして、「visumo video」で投稿する動画は後から見ても楽しめるコンテンツを意識してしっかり作るようにスタッフに促しています。

編集を一括したことでサムネイルも統一感のあるデザインに変えています。動画を作成したスタッフや紹介しているブランドを分かりやすく見せています。


▲動画のサムネイルが統一感あるデザインに

スタッフスタイリングにおいても、最初に「どのくらい余白を入れた方がいいか」「暗い服の場合は明るい壁の前で撮影した方がいい」など撮影のポイントを伝えて、都内の店舗などには直接、訪問して撮り方をスタッフと共有したりもしました。

サムネイルとなる1枚目は、バランスを考えて、明るさや色味、配置をこちらで調整しています。

ーー投稿してくれるスタッフのモチベーションを高めるために取り組んでいることはありますか?

桜庭:会社としてスタッフを表彰する取り組みを実施しています。PV数や投稿数などを評価し、スタッフ個人を表彰するだけではなく、部署を表彰する企画を半期に1回程のペースで開催しています。表彰を通して、ウェブ接客の重要性みたいなのを全社に浸透させたり、スタッフのモチベーションを高めたりしています。

:入社前からインスタなどのSNSに親しんでいるスタッフも増えています。特に若いスタッフは自分がサイトに出ることに抵抗がない者が多く、活躍している先輩を見たり、他店にいる同期が投稿しているのを見たりして、「自分も出たい」と思ってくれるケースも多くなったと思います。


▲デジタルマーケティングチーム マネージャー 泉波奈氏

RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事