2024.02.13

【楽天市場「2024年上期戦略共有会」】流通総額は6兆円到達、「最強配送」開始 出店料金は値上げへ?!


楽天グループ(楽天)は1月25日、「楽天市場」の出店者向けイベント「楽天新春カンファレンス2024」を開催した。イベント内の「『楽天市場』2024年上期戦略共有会」では、楽天の2023年における国内流通総額が6兆円に達したことや、今年7月から開始する配送品質ラベル「最強配送」の紹介、出店プランの固定費を変更することなど、について紹介している。戦略共有会の内容について、常務執行役員コマース&マーケティングカンパニーヴァイスプレジデントの松村亮氏に聞いた。



楽天の国内EC流通総額は2023年も堅調に成長している。国内EC流通総額は6兆円に到達し、2030年の目標である流通総額10兆円を向けて堅実に歩みを進めている。

「国内でオフラインも含めて最も大きいリテーラーグループであるイオンの売上高が約10兆円、単体だとセブン‐イレブンが約5兆円だと思うので、6兆円という数字はインパクトがあると思う」(松村氏)と話す。

「楽天市場」の成長戦略として、①マーケティング改革とロイヤルユーザーの拡大 ②売り場改革 ③継続的な物流強化 ④AIおよびシステムインフラへのさらなる積極投資 ⑤店舗コミュニケーションの強化――の5つを挙げた。



【①マーケティング改革とロイヤルユーザーの拡大】

市場・カード・モバイルの共同マーケを加速


顧客育成においては、「楽天市場」と「楽天カード」の共同マーケティングに加えて、「楽天モバイル」を加えたマーケティングを加速するという。2023年10月の「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」の変更もその戦略に沿った変更だった。

「2023年12月の『楽天スーパーSALE』の1人当たりの購入金額は、『楽天カード』『楽天モバイル』どちらも持っていないユーザーと比べて、『楽天カード』だけ持っているユーザーは30.9%増、『楽天モバイル』だけ持っているユーザーは31.6%増だった。それが『楽天カード』『楽天モバイル』両方持っているユーザーは、91.1%増となった。両方持っているユーザーがロイヤルユーザーとなっている」(同)と話す。

「楽天モバイル」の契約者数は昨年末に600万人を超えており、さらなる増加を見込んでいるという。

「『楽天モバイル』は次のステップとして、800万、1000万と契約者の拡大を目指している。『楽天カード』の発行枚数は3000万くらいだが、1人で2枚持っている人もいるのでユニークだと2000万人強が利用している。『楽天モバイル』の契約者がその半分の1000万人くらいの規模になると、かなり『楽天市場』の成長エンジンとしてのインパクトも出てくる」(同)と期待している。


買い回りイベントの開催頻度を増やす


顧客育成ドライバーとして大きい「楽天スーパーSALE」「お買い物マラソン」などの大型セールイベントは年々、流通総額が伸びており、年間流通総額は4年平均成長率が20.8%増となっている。

「大型セールもアップデートしていく。開催サイクルの変更も検討する。現在は全ユーザー共通の特典を提供しているが、ロイヤルユーザーを育てていきやすいようにメリハリ付けていくことなども考えている」(同)と話す。

買い回りイベントの開催頻度を増やしたり、イベントカレンダーを公開したり、開催回ごとの特集テーマを打ち出したりすることを検討している。

顧客ロイヤリティ別の最大倍率の設定や、特定ジャンルごとのポイントアップ、プレ期間のセール開催も実施案として挙がっている。

ライトユーザーに対して、「楽天市場」を第一想起してもらうため、SNSでの情報発信も強化する。YouTubeへの動画配信や記事メディア、スマホアプリへの情報発信にも注力する方針だ。

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