2023.12.22

消費者庁、「ミズノ」「ワコール」称する偽広告・偽サイトに注意喚起

消費者庁は12月21日、「ミズノ」または「ワコール」の女性用衣料品等を販売すると称する偽サイトに関する注意喚起を行った。SNSなどに「ミズノ」または「ワコール」の正規品を安価で販売しているかのような偽広告を表示し、遷移先の偽サイトでブランドではない商品を販売しているとし、企業のロゴが使用されている広告であってもすぐに信用しないようになど注意を呼びかけた。

消費者庁は、2022年の夏以降、SNS等において「ミズノ」または「ワコール」の商品ブランドロゴを使用した女性用衣料品等に関する広告が表示され、当該広告のリンク先のWebサイトで商品を注文したところ、これらのブランドの商品ではないものが届いたなどという相談が各地の消費生活センター等に数多く寄せられているとし、実施した調査の結果を公開した。

InstagramやFacebookといったSNS等に表示される本件偽広告には、ミズノ、またはワコールの商品ブランドロゴに併せて、商品を着用したモデルの画像や商品の性能が掲載されており、あたかもミズノ、またはワコールの正規品を販売しているかのように表示されているほか、安値で販売する旨の記載がある。

偽広告内のリンクを押すと移行する本件偽サイトでは、偽広告で表示されていたミズノ、またはワコールの商品ブランドロゴのほか、店舗の画像等を表示。商品名に「Mizuno」や「Wacoal」といったブランドの名称が併記されているものもあった。さらに商品の性能説明として「着瘦せ効果」「一方向導湿抗菌」等、不自然な日本語が表示されたものや、「人気商品ランキング限定 SALE!」「店舗で買うより超お得!」「50%OFF」等と大幅に値引きしている旨や、複数枚を購入した方が単価が安い旨を表示したものもあったとしている。



一方で、本件偽サイトには、事業者の名称や連絡先電話番号の表示は一切なく、注文確定後に一部の消費者に送られたメールにも事業者の名称等に関する情報は含まれていないとした。

本件偽サイトで注文を確定すると、宅配業者から消費者の元に代金引換で商品が配達されてくるが、商品には「ミズノ」、または「ワコール」の商品ブランドロゴや日本語の洗濯ラベルの表記はなく、縫製が粗く生地が薄い商品や、注文したものと数量や色が異なる商品が配達されることもあったとし、不審に思った消費者が「ミズノ」、または「ワコール」に問い合わせしたところ、両社の正規品ではないことが判明した。

これらの結果から、本件事業者が消費者を欺く行為を行っていたことを確認したとし、消費者安全法第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生、または拡大の防止に資する情報を公表し、消費者に注意を呼びかけるとともに、都道府県、および市町村に提供して周知を図る。

消費者庁は、被害に遭わないための消費者へのアドバイスとして、SNS上の広告には偽広告もあるとし、見慣れた企業のロゴが使用されているからといってすぐには信用しないよう呼びかけ、チェックポイントとして、URLやドメインに違和感はないか、「特定商取引法上の表示」があるか、特別に安価であることを強調する価格表示ではないか、支払い方法が限定的ではないか、不自然な日本語表記はないかを挙げた。




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