2023.11.13

【「食品EC」注目の新サービス】新規顧客の獲得へ 多様な顧客ニーズ取込みに注力

コロナ禍の反動もあり消費者の外食回帰への動きが活発化する中、2023年度の食品EC・宅配各社は前年から比べると売り上げが鈍化している。こうした中で、ミールキットや生鮮品を販売する食品ECでは、新たな顧客層を取り込もうと新サービスの開発を進めている。

オイシックス・ラ・大地では、廃棄されていた食材を活用したアップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」の商品開発を強化。7月からは、月に一度のペースで、全国各県のご当地グルメを期間限定で販売するミールキットも企画した。

ミールキットを軸に販売する食品宅配のショクブンでは、既存の顧客層以外の若年層の開拓を狙ったアプリ専用の新ブランド「Meafill(ミーフィル)」」を開始した。週末用の時短調理メニュー「SpeeDish(スピーディッシュ)」も販売。紙媒体ではなく、スマホを中心に注文できるようにして新規顧客の獲得を狙う。

ワタミも通販事業に力を入れる。冷凍総菜の通販事業「ワタミの宅食ダイレクト」の商品を製造する自社工場「ワタミ手づくり厨房尼崎センター」を兵庫県尼崎市に新設し、月間20万食の製造を見込む。

異業種の参入も見られる。食品ECを新たに立ち上げた大阪ガスは9月12日から冷蔵総菜のサブスクリプションEC「FitDish(フィットディッシュ)」を開始した。ユーザーの好みに合わせて自動でメニューを選ぶなど時短を追求した。

食品EC・宅配各社の新サービスを紹介する。


<CONTENTS>
▼【Oisix】ご当地グルメシリーズ開始 期間限定、毎月新商品を投入
▶︎【食べチョク】「非常食」の販売を開始 秋元社長「生産者の経営に貢献」
▶︎【FitDish】冷蔵総菜ECを展開 顧客の好みでメニュー自動選定
▶︎【ショクブン】2つの新ブランド アプリやSNSを有効活用



【Oisix】ご当地グルメシリーズ開始 期間限定、毎月新商品を投入


オイシックス・ラ・大地が展開するOisix(オイシックス)は、日本各地のグルメのミールキットが毎月楽しめる「ご当地グルメシリーズ」を始めた。7月からサービスを開始、月に一度、日本各地の郷土料理をミールキットで届ける。第一弾は山口県、第二弾は広島県、第三弾は宮城県の商品を期間限定で提供する。


▲宮城県のご当地グルメ「はっと汁」

「ご当地グルメシリーズ」は、日本各地のグルメを本格的な味わいに仕上げたミールキットシリーズ。「共働きで小さい子どもがいる世帯など旅行に行くのが大変な家庭でも、地方の味を自宅で簡単に楽める」(広報)と話す。認知度が高いものだけでなく、知られざる地方の魅力的なメニューを発掘・開発するように心掛けているという。

9月に発売した第三弾、宮城県のご当地グルメ「はっと汁」はオイシックスらしく野菜をふんだんに使ってアレンジした。

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