2023.10.20

YouTube、デバイスやフォーマットのマルチ化を解説 小田切ヒロ、ライオン、サントリーなど動画活用術を公開


小田切ヒロがショート動画のTipsを伝授


YouTubeの視聴トレンドを動画制作に生かしているクリエイターを代表し、ヘアメイクアップアーティストの小田切ヒロ氏と、動画メディアを運営するPIVOTの佐々木紀彦代表が登壇した。

小田切氏は、「力を入れているのがショート動画。通常の長尺コンテンツとは別に、60秒で簡潔に楽しく伝えるビューティ情報やトレンド情報を押さえた動画を配信している」と語る。


▲小田切ヒロ氏

小田切氏の動画は、冒頭で発する「あんたたち~」というフレーズが印象的だ。小田切氏は、「ショート動画では最初の1秒で(視聴者を)引き付けることが大事。少し失礼かもしれないが、視聴者の関心を引くとともに、親しみやすさをアピールする私なりの工夫」と説明する。

小田切氏ならではのショート動画のTips(こつ)も紹介した。「ショート動画はなんといってもインパクトとメリハリが大事だと考えている。短いコンテンツだからこそシンプルであるべきだと考えている」と話す。


▲ショート動画のTipsをショート動画で紹介

具体的には3つのポイントがあるという。1つ目は「表現を大きくする」ことが大事だと説明する。スマホ視聴者が多いことからテロップの文字を大きくしたり、顔を近づけたりしている。

2つ目に「難しすぎない」ことも重要だという。端的に情報を伝えてシンプルに理解できる動画を作っている。

3つ目は「抑揚を付けること」がポイントだと教えてくれた。表現や音で演出面で抑揚を付けている。内容によって効果音を変えるなどして印象付けることができるという。


PIVOTの佐々木代表「情報は動画で得る時代になった」


「東洋経済」や「NewsPicks」などのメディアで要職を歴任し、動画メディア企業のPIVOTを立ち上げた佐々木紀彦代表は、自身のキャリアにおいて、3回のトランスフォーメーションがあったという。


▲PIVOT 代表取締役 佐々木紀彦氏

佐々木氏は、「1回目が『デジタル化』。伝統的な紙媒体の『週刊東洋経済』から『東洋経済オンライン』のリニューアルに編集長として携わることになった。2回目が『モバイル化』だ。モバイル化の波に着目し、東洋経済からNewsPicksに移り、ソーシャル経済メディアの開発を進めた。最後の3つ目が『動画化』だ。NewsPicks時代に動画化のトレンドを感じて、NewsPicksスタジオを立ち上げた。その後、より動画ファーストのビジネスメディアを世に送り出すべく、PIVOTを創業した」と話す。



リスクのある起業を決断した背景には、「コンテンツの動画化というメガトレンドを舞台にして、自分自信で資金調達して、最強のメンバーで勝負をしたいと思った。学生の頃からメディア作りに興味があり、今度のメディアがどうなるのか、コンテンツがどうなるのか、ずっと考えてきた。デバイスや通信の発達もあり、情報は完全に動画で得る時代になったというのが私の結論だった。動画化というメガトレンドは、私のメディア人としてのキャリアをかけて取り組む価値のあるものだと考えた」と話す。


グーグル奥山代表「メディア接触の3分の1超がモバイルに」


グーグルの奥山真司代表は、マーケティングROIの検証方法を紹介した。

奥山代表は、「メディアの総接触時間におけるモバイルデバイスのシェアがついに3分の1を超え、ますますモバイルシフトが進んでいる」と紹介した。


▲メディアの総接触時間におけるモバイルデバイスのシェアが3分の1を超えた

奥山代表はさらに、「全テレビデバイスにおけるコネクテッドテレビの割合は34%となり、その視聴時間の40%が『放送』ではなく、YouTubeを含む『VOD』が占めている。スマートテレビに限って見てみると、YouTubeは民放地上波4局の平均よりも72%も長く視聴されていることが明らかになった。このようにデバイスをまたいだデジタルシフトが進む中で、マーケターの皆さんはブランドの課題や目標を設定すること、もしかしたらそのものに課題を持たれているのではないか」と話した。


▲グーグル 代表 奥山真司氏

日清食品は若年層への広告接触1回当たりの価値を可視化した。調査の結果、広告の有効接触回数分析で、ターゲットリーチはYouTube広告がテレビCMを上回り、27%の純増リーチを獲得したことが分かった。課題としていた1接触当たりのコスト効率は、YouTube広告がテレビCMの6分の1程度だったという。

東宝は新作映画のプロモーションにおいて若年層に対して多くのユニークリーチを獲得しながらもCPMを安く抑える方法を模索していた。広告配信にYouTubeショートも含まれる「動画リーチキャンペーン」を活用した結果、ユニークリーチは15%増加しながらも、リーチ単価は17%削減できたとおいう。課題としていたCPMは42%削減と効率よく目標を達成できた。

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