2023.03.19

エクスプラス、YouTuberと開発したキャンプ用品が人気 制作過程から動画で配信、視聴者の声を反映

松尾大輔リーダー

ライフスタイル・ファッションアイテムなどのOEM・ODMを手掛けるエクスプラスは2021年12月、アウトドア用品を主に取り扱うECサイト「X PLUS ONLINE SHOP(エクスプラスオンラインショップ)」を開設した。人気ユーチューバーと共同開発したキャンプ用の収納アイテムがヒットしている。動画で制作過程から配信し、視聴者の声を取り入れながら開発することで、発売時から高い人気を得ることに成功している。

登録者37万人超のキャンプ系ユーチューバーのFUKUとは、さまざまな収納アイテムを共同開発している。アルミホイルやキッチンペーパー、ウェットティッシュというキャンプで必須の3種をコンパクトに収納できる「キャンプの3種の神器ケース」は、昨年11月の発売から累計3000個以上を販売した。


▲キャンプの3種の神器ケース

FUKUがユーチューブで素材や機能を丁寧に分かりやすく紹介することで、視聴者に商品の魅力が伝わり、購入につながっている。動画の概要欄に商品のLPに誘導するURLを掲載し、購入を促進している。

「興味のある分野の動画を視聴する人がほとんどだ。昨今のメール離れもあるため、開封されないメルマガの配信などは行っていない」(機能グッズチーム・松尾大輔リーダー)と言う。

実際に動画から来たユーザーのコンバージョン率は10%近く、効率的な集客ができている。

動画では完成した商品を紹介するだけではなく、商品制作の過程から配信している。商品開発に至るストーリーから伝えるとともに、コメント欄に寄せられる視聴者の声を商品開発の参考にしている。

視聴者の声を柔軟に採用できるのも、同社が企画から製造、流通、販売まで一貫して手掛けているからだ。アジアを中心とした4ヵ国に生産拠点を設けている。質の高い商品を、安く提供できる点も強みだ。

ユーチューバー以外にも、インスタグラムで活躍するインフルエンサーを活用したマーケティングも行っている。

「誠実さや信頼性がブランドとしてのベースになる。認知を広げるための一過性の取り組みではなく、波長が合いそうなインフルエンサーを選んでいる」(同)と言う。

SNS以外にもプレスリリースなどでの情報発信にも取り組んでいる。きれいな素材を用意し、分かりやすく丁寧な文面でリリースを作成している。

「テレビの反響は大きいため、なるべく目に留まるような内容での露出に注力している」(同)と話す。

今後は、アウトドアだけでなく他のジャンルも視野に、顧客のニーズに応える商品を展開していく予定だ。





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