2023.09.02

アスクル、サプライチェーン全体のCO2排出量を削減 booost technologiesと排出量を可視化

アスクルはこのほど、サプライヤーCO2排出量可視化ツールを提供するbooost technologiesと共同で、アスクルが運営するEC事業におけるサプライチェーン全体のCO2排出量削減を目指す取り組みを本格始動した。商品のCO2排出量を見える化する。

アスクルは、1993年に事業所向け通販サービス「ASKUL」事業、2012年には個人向けEC「LOHACO」を開始。全国10拠点の自社EC物流センターから、全国に当日・翌日配送「明日来る」を実現している。商品開発からラストワンマイルまで担うバリューチェーンにおいて、メーカーやパートナーとの共創を推進し、データとテクノロジーを最大活用してサイバー・フィジカル両面からのビジネストランスフォーメーションを進めている

アスクルにおけるCO2排出量は、全体の99%がScope3(サプライチェーン上の排出)であり、中でも仕入商品によるものが75%と大部分を占めているとし、商品のCO2排出量に注目。サプライチェーン全体のCO2排出量削減を目的に、アスクル事業で取り扱うPB商品のCO2排出量算定を8月より開始した。



今回の取り組みでは、効率的かつ正確なCO2排出量の算定を行うために、booost technologies社提供のサプライチェーンCO2排出量見える化ツール「booost Supplier」を導入し、サプライヤーから収集したデータを活用する。

商品のCO2排出量を見える化することにより、アスクルとサプライヤーは各商品のCO2排出量の削減に向けた具体的な検討につながる。さらに消費者にとっては、環境配慮商品を選定する際のサポートになるとしている。

商品のCO2排出量の算定にあたり、アスクル側はサプライヤーへの回答依頼や収集・確認作業の煩雑さがあり、サプライヤー側は算定の手間やコストなどの課題があったが、サプライチェーンCO2見える化ツール「booost Supplier」の導入により、その課題の解決を図った。



「booost Supplier」は、各サプライヤーにアカウントを付与し、アスクルに納入された商品を構成する材料や加工(製造)の活動量登録と排出原単位選択を行うことで、商品ごとのCO2の算定が可能だ。

サプライチェーンの各工程のデータを細かく収集できるのはもちろん、サプライヤーへの回答依頼、回答の入力作業、確認、分析がしやすく、効率的にCO2排出量を算定することができる。サプライヤーから収集したデータは、「booost GX」上でサプライヤー全体のCO2排出量として確認することができ、CO2排出量削減に向けた改善につながる。

今後は、2023年9月からパイロットサプライヤー10社に向けて「booost Supplier」の導入説明会ツールへの入力を開始、さらに順次他のサプライヤーにも展開していきたいとしている。

昨今、豪雨や猛暑が頻発し深刻化している気候変動問題に対し、企業はCO2排出量の削減への取り組みが求められている。アスクルでは、2016年に「2030年CO2ゼロチャレンジ」を宣言し、原材料調達から顧客への商品配送まで、サプライチェーン全体で脱炭素を実現する具体的な取り組みを推進している。

2022年10月には「アスクル商品環境基準」を策定し、商品ごとの環境配慮レベルを独自にスコア化し、商品ページへの掲載を開始。翌年2月には環境スコアに加え、葉のイラストを使用したビジュアル表示を追加し、商品の環境配慮度合いを確認して商品比較をしやすい売り場へと進化させている。

さらにこのほど、アスクルのサプライチェーン全体のCO2排出量の削減のため、アスクルのCO2排出量の大部分を占める商品ごとのCO2排出量の算定の本格的な開始に至ったとしている。

アスクルとbooost technologiesは、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減とサステナブルな社会の実現を目指し、取り組みを進めていく考えを示した。




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