2023.08.14

【ヤフーショッピング流通額減少の真相は?】畑中基執行役員「下期は『LYPプレミアム』で復調狙う」

ヤフー 畑中基執行役員


LINEとの統合に期待


現時点では、流通額は前年同期を下回っている。今後の復調策として、「LYPプレミアム」を中心に多様な企画に注力していくという。

LINEとID連携し、「LYPプレミアム会員」になると、対象のLINEのスタンプが使い放題、LINEのアルバムで動画の投稿保存が可能、複数のアカウントの使用が可能(検討中)になるという。

「ヤフーショッピング」としての魅力だけではなく、LINEと共同で実施することで、LINEの魅力をアピールし、結果的に「LYPプレミアム会員」への会員登録を目指していく。

「ヤフーショッピングであまり買い物をしない人でも、LINEの特典経由で『LYPプレミアム会員』のことを知り、登録することもあるだろう。会員になると、『ヤフーショッピング』での買い物で、さらに2%たまる。相乗効果で結果として『ヤフーショッピング』の流通額の増加を目指していく」(同)と話す。
 

商品券や店舗数制限で捉え違い

 
「ヤフーが何を考えているか分からない」という声は、単純に「ヤフーショッピング」の流通額のことを指しているだけではない。ヤフーは今年4月、「ヤフーショッピング」での一部キャンペーンで付与する特典を「PayPayポイント」から、ヤフーショッピングでしか利用できない「ヤフーショッピング商品券」に変更すると発表した。

さらに同6月には、「ヤフーショッピング」において、原則1事業者当たり1店舗までの制限を設けることを検討していることを明らかにした。

畑中執行役員によると、上記2点もメディアや出店者含め大きな捉え間違いをしているという。

「『ヤフーショッピング商品券』は本当に一部の特典のみにしか利用しない。メディアによっては、切り替えと表現されていたが、そうではない。『PayPay』と名前が付くキャンペーンや大型セールは従来通り『PayPayポイント』を付与する。以前複数の顧客からキャンペーンで付与した『PayPayポイント』をモール内での商品購入ではなく、コンビニなどで利用されることに疑問を感じるといわれた。それならと思い、新たな選択肢として、商品券の取り扱いを開始した」(同)と話す。

2店舗目制限のニュースも、不正対策での検討段階だという。出店者にアンケートを取り、どのような対策が適切か対策の検討中だとしている。「まだ何も決まっていない。声を拾っている状態だ」(同)と強調する。

コロナ禍でEC市場は急成長した。食品やアパレルなど各ジャンルへの新規参入企業も増加した。だが、現在消費者のオフライン回帰などで、EC市場の成長は緩やかになっている。

ヤフーは国内の大手3大モールの一角を担っている。市場のさらなる拡大のためにも、「ヤフーショッピング」の成長は欠かせないという声もある。これからどのような成長を見せるのか。今まさに「ヤフーショッピング」は正念場を迎えている。






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