2023.08.09

そごう・西武、単品在庫管理のデジタル化を開始 店頭在庫のOMO化・AI発注目指す

西武池袋本店の諸国銘菓・名産売場

そごう・西武は8月28日、店頭在庫のOMO化、AI発注を目指し、単品在庫管理をデジタル化する取り組み開始する。「西武池袋本店」の諸国銘菓・名産売場と、「そごう大宮店」の諸国銘菓からスタートし、将来的にはテナントも含めて全フロアへの拡大を図る。自主売場での単品在庫管理のデジタル化は、発注精度の向上と業務の負荷軽減につながるとし、商品のOMO化を目指す考えを示した。

そごう・西武は、「実店舗とECサイトの在庫の一元管理(OMO化)」と「AI発注の導入」を目指し、単品在庫管理をデジタル化する取り組み開始する。

そごう・西武の諸国銘菓、名産売場では、取り扱い商品やメーカーが多岐にわたることもあり、完全な形でのJANコードによる管理ができていなかった。結果として、発注業務や在庫管理をデジタル化できず、個人の経験に頼った発注を実施せざるを得ない状況となっており、「発注に時間がかかる」「担当者によって発注精度のばらつきがでる」「在庫管理がアナログなためECと連動できない」などの課題があった。

こうした課題を解決するため、売り場のデジタル化を目指し、画像認識AIによる単品在庫管理に向けて取り組みを開始した。画像認識AIを組み込んだ在庫管理業務アプリを活用することで、バーコードなどの有無に関わらず、商品の在庫単品管理が可能な仕組みを実現した。


▲在庫管理業務アプリ画面(案)

2022年1月から行った実証実験では、対象商品における紙台帳の管理が不要となり、発注・検品・納品作業時間の33%削減を実現。これにより生じた時間を接客などの顧客満足度向上につながる業務にあてることができた。ダッシュボード(複数の情報を一覧できる情報管理ツール)を活用した過剰発注の発見により、廃棄ロス削減に向けた発注調整も開始した。画像認識AIの検知率については、実証実験を重ねることで約99%にまで高める事ができた。

このほどの取り組みでは、8月28日より「西武池袋本店」の諸国銘菓・名産売場と、「そごう大宮店」の諸国銘菓を対象に、単品在庫管理をデジタル化をスタートする。今後、他の自主運営売場から対象を拡大し、将来的にはテナントも含めて全フロアを対象として商品のOMO化を図る。

在庫情報をデジタル化することで、その情報をもとにAIを活用し、需要を予測、発注の自動化を目指す。さらに全フロアを対象とし、在庫情報を自社ECサイトに連携することで、ECの取り扱い商品が増え、EC販売を飛躍的に拡大できる見込みとしている。






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