MonotaRO(モノタロウ)の2023年1-6月期(中間期)における単体売上高は、前年同期比13.0%増の1193億4700万円だった。営業利益は、同17.6%増の159億2300万円。
大企業向けの集中購買システムによる販売が伸長し、売り上げは同35.4%増の319億9300万円となった。その他の注文の単価や回数も増加している。
登録口座数は、2023年6月末時点で約857万件と、2022年12月末から約57万件増えた。
増収増益となった一方で、計画値を下回る項目が目立った。専務執行役・経営管理部門長の甲田哲也氏は「インフレの影響が表に出てきた可能性が高い」と今後の懸念を示した。
チラシはなだらか成長
ウェブ戦略で成長を続けてきた同社は、今期からチラシの配布による販促の強化に取り組んでいる。
同社のチラシは、企業のデータや購買履歴などのデータをもとに制作されたパーソナライズのもの。半年に1回程度送付されていたカタログを廃止し、新たな販促手法の一環として取り組むツールでもある。
20~30ページの設計で、リテール商品やレコメンドアイテムなどを提示し、購買意欲を促す高度な提案が強みとなっている。
代表執行役社長・鈴木雅哉氏は、チラシ展開について「チラシによる成長はなだからになった」と話す。また、今後の課題についても言及し、「当社の提案力に慣れてしまうため同じことをしていてはいけない。商品の設計力も含めたストーリー作りというものが必要になってくる」とした。
注文受付時間の延長を示唆
7月27日の決算説明で、「注文受付時間の延長」を示唆した。
現在、同社の当日出荷は平日15時を最終受付としている。ただ、今回の説明会において、「何時まで延長するか、時間は決めていない。しかし、15時以降でも対応できる体制を目指したい」とした。
受付時間の延長には、同社を利用する顧客に対する満足度や利便性の向上、販売戦略などが軸となっている。
一方、通販EC業界も含めた小売業全体で物流の24年問題への対応に追われている。こうした渦中でも「当社としては、今まで以上に、仕入れから在庫管理、配送までのサプライチェーンをより高度化して対応を図っていく」(鈴木社長)と強調した。