la belle vie(ラベルヴィー)は今年6月、日本最大級のフラッシュセールサイト「GLADD(グラッド)」において、マーケットプレイスの提供を開始した。昨年11月にフランスのユニコーン企業であるMirakl(ミラクル)が提供するプラットフォームソリューションを採用し、マーケットプレイス展開を開始すると発表していた。フラッシュセールの国内最大手が取り組むマーケットプレイス展開の狙いや今後の展望について、la belle vieの取締役副社長執行役員 香取純一氏と、Mirakl日本法人の佐藤恭平社長に聞いた。
――マーケットプレイス導入の経緯は?香取:ご縁があり、Miraklさんの話を聞く機会があった。潜在的に考えていたこととマッチしたこともあり、社内で承認を得て、導入に向かっていった。
――潜在的に考えていたこととは?香取:多様化する購買需要に応えるため、どのように商品を増やしていくべきかを考えていた。これまではブランドから商品をお送りいただき、当社で撮影をして、販売していた。バイヤーの選定に基づいた商品を提供できる点は良い面だが、一方でSKU数は限られたものになる。お客さまが目的買いで利用するためには、商品量として足りない。マーケットプレイス化することで、商材の幅を広げていくことができる。
ほかにも、これまでの売り方だと、ブランドからサンプルをお送りいただき、受注を取ったものを販売させていただく形になる。当社で販売するための在庫をブランドが確保している状態になる。そうすると1年前、2年前の在庫が取扱商品の主流となる。
ブランドがリアルタイムにセールで展開している商材には、リーチしにくい状況だった。マーケットプレイス化することで、鮮度が高い商品を取り扱うことができるメリットもある。
▲Miraklの佐藤恭平社長(左)とla belle vieの取締役副社長執行役員 香取純一氏(右)――マーケティング面でもマーケットプレイスの効果は発揮できるのか?香取:コンテンツを作成してトレンドを訴求することもできるが、フラッシュセールではすぐに商品が売り切れてしまうケースが多く、効率的ではない。商品を一定期間、販売できるようになるとコンテンツを作成し、多くのお客さまに訴求できるようになる。
現在のフラッシュセールでも月間で数万SKUを取り扱っている。多くの商品の中からお客さまに合った商品を提供していくためには、パーソナライズやレコメンデーションが必須なってくる。その領域を研ぎ澄まそうとしても、フラッシュセールでディスカウントされた商品を購買する際の行動は、必ずしも普段の購買と同じではない。お客さまの趣味嗜好やリアルな需要をつかむためには、より豊富に商品をそろえて、目的買いしていただくことが必要になる。
――フラッシュセールのマーケットプレイス化の事例はあるのか?佐藤:フランスの「Showroomprive(ショールームプリベ)」が、当社の製品を導入し、フラッシュセールからマーケットプレイス化に成功している。フラッシュセールで在庫を抱え、限られたラインアップを販売するというビジネス形態から、マーケットプレイスとして在庫を抱えずにラインアップを増やし、データを見ながらパーソナライゼーションを進めるビジネスに転換している。マーケットプレイス化で効果を発揮できることは、海外で実証されている。そういった話もla belle vieさんにはお伝えした。