2023.04.21

日本テレビHD、フラッシュセール最大手のla belle vieを買収 テレビ通販やECのデジタルマーケを強化

日本テレビホールディングス(HD)は4月21日、フラッシュセール最大手であるla belle vie(ラベルヴィー)の全株式を取得する株式譲渡契約を締結した。ラベルヴィーの2022年12月期の売上高は、前期比2.1%減の157億3700万円だった。取得価額は非公開。

日本テレビHDは2022年に策定した「日本テレビグループ中期経営計画2022-2024」において、「国民の生活を豊かにする」コンテンツ・サービスを幅広く提供する「総合コンテンツ企業」への進化を打ち出した。投資枠1000億円を設定し、「テレビを超えろ」をテーマに、映像コンテンツをはじめ、物販、イベント、生活・健康関連事業などを積極的に展開している。

一方、ラベルヴィーはフラッシュセール事業(時間限定で特定ブランドのセールを行うECサイト)を運営するファッションECサイトの大手企業だ。「次世代のショッピング体験をデザインする」を企業理念に掲げ、2009年の創業以来、蓄積した販売データと卓越したテクノロジーをベースに、提案力の高いECサイトを構築してきた。運営する2つのサイト(GLADD、GILT)は各300万人の会員を有しており、両サイトの合計で会員数550万人以上、取扱商品は約1万ブランドを抱えている。フラッシュセール事業を行うECサイトとしては国内最大級だ。

日本テレビHDはTV通販事業を含めたコンテンツ制作・メディアの力を生かした幅広い顧客へのリーチ力と、蓄積した販売データと卓越したテクノロジーでフラッシュセール事業を手掛けるラベルヴィーの力を掛け合わせることにより、両社の事業拡大に資するシナジーが期待できると考えている。



日本テレビHD側はラベルヴィーの有するIT基盤やデジタル化のノウハウを活用し、TV通販や既存EC事業のデジタルマーケティングを強化し、売上・収益向上を図る。

さらに、物流や問い合わせ対応、商品写真・動画撮影、利用ITサービスなど共通機能・業務の集約・相互活用を図ることで収益向上にもつなげたい考えだ。リーチできていなかった取引先を相互に紹介しあうことなどで、TV通販・既存EC事業の新商品開発・調達の強化も図る。

他にも、各種イベント、Dream Coachingのスポーツ指導教室など体験系サービスの販売窓口の拡大も図る。

ラベルヴィー側は、日本テレビグループのメディア力を生かしたマーケティング強化を図る。地上波やグループ企業も含めたメディアの力を活用し、幅広い顧客層へリーチできるようにする。

日本テレビHDのクリエイティブによるマーケティング・演出力を活用し、コンテンツマーケティングの強化にもつなげる。

株式譲渡の実行日は5月19日の予定。今後、シナジー発揮などを目的とした協業委員会を設置する計画だ。





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