【ECソリューションマップ2023「ECサイト構築サービス編」】
W2は今年1月、社名やサービス名を変更し、タクシーCMなどの大型プロモーションを展開した。従来からの強みをさらに発揮していくための“変化”はEC業界でも話題を集めた。大型プロモーションの成果もあり、サイトのアクセス数は3倍になったという。新設したビジネスブランド「W2 Unified Commerce(ダブルツー ユニファイドコマース)」の名のもとに、ECや実店舗、スタッフの接客などをつなぐことで、ユニファイド(統合)されたコマース体験を創出できる強みをアピールしている。このコンセプトはOMO(ネットとリアルの融合)の実現を目指す企業から共感を集め、大型案件の受注増加につながっている。W2の山田大樹CEOに、大型プロモーションの反響や、ソリューションの進化について聞いた。
導入ショップの平均売上成長率は354%
――社名やサービス名を変更し、大型プロモーションを展開した反響は?
分かりやすいところだと、タクシーCMを実施したあたりから、サイトのアクセス数が3倍くらい伸び、今でも継続している。タクシーCMだけではなく、社名やサービス名を変更し、新たにビジネスブランド「W2 Unified Commerce」を新設したことなど、話題を集めた結果だと思う。会社の成長に合わせて認知が広がっている感覚はある。
EC業界のソリューション企業から、「タクシーCMを見たよ」と、たくさん声をかけていただいた。さまざまなシステムとの連携の話も増えている。
――システム導入の問い合わせも増えているのか?
問い合わせも増えているが、それよりもコンペなどでプレゼンさせていただく際に、経営層の方が、「W2を知っている」と言っていただける機会が増えた。経営層に認知していただけている効果もあり、コンペの勝率は直近で87%と高い水準になっている。
――導入企業の事業規模にも変化はあるのか?
平均の受注単価はここ2年ぐらいで約2倍まで上がっている。受注単価は上がっているが、価格競争力では優位性がある。当社が提唱する「ユニファイドコマース」を実現しようとすると、数億円かかるのが当たり前というイメージだが、当社であればそこまでかからない。価格競争力があり、1システムで実現できる面を評価していただいている。
実際、導入ショップの平均売り上げ成長率は、354%となっている。
大手企業が続々導入
――どんな導入実績があるのか?
最近、ムラサキスポーツさまへ「W2 Unified」を導入したリリースを配信したが、これもOMOの実現を目指して採用していただいた。
ECサイトと全国の実店舗をシームレスにつなぐことで、ECサイトの商品を店舗で受け取れるようにしたり、店頭で品切れした商品を店舗スタッフが接客用端末を使いECサイトにて注文できる「エンドレスアイル」を導入したりしている。
さらに、オンライン接客販売支援サービス「Benent(ベネント)」を活用し、店舗スタッフのコーディネート提案やムラサキスポーツ契約選手のブログ機能を使った情報発信を実現している。
グループ会社のブランデックスがECサイトのフロントデザインを担い、グループ会社のアップグロースがIT戦略の統率とPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)支援やマーケティングの支援を行っている。ECプラットフォームだけではなく、周辺ソリューションやデザイン、運用まで支援できる体制を持つ、当社の強みを発揮できている。
ムラサキスポーツさま以外にも、まだ名前を出せないが、大手企業の導入事例が数多くある。
マーケティングも支援
――グループ会社のアップグロースが戦略コンサルティングを行い、ブランデックスがデザイン制作や運用支援を行うことは知っているが、マーケティングの支援まで手掛けているのか?
これまでも大手事業者向けにマーケティングまで支援するケースはあったが、そのノウハウを体系化し、今年5月ぐらいからマーケティングを支援するプランを提供し始めている。
BI(ビジネスインテリジェンス)やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を駆使して高度なマーケティングを実施している企業もあるが、多くの企業の場合、もっと手前の鉄板シナリオをしっかりと運用できているかが重要だ。そういった面をしっかりとサポートできる体制を作っている。