ecbeing(イーシービーイング)は今年5月、EC構築プラットフォーム「ecbeing」の2022年における導入企業の年間流通総額が前年比41.2%増の9912億円になったことを明らかにした。導入企業の年間売上高が1社当たり平均5億円伸びた計算だ。システムの機能強化に加えて、同社が提供する周辺サービスや人的な支援を拡充したことが背景にあるという。
「ecbeing」の構築サイト数は、大手や中堅企業を中心に1500以上と伸びている。大規模サイトの実績が多いため、数が一気に増えることはないが、毎年コンスタントに約10%ずつ増えている。
「年間のEC売上高が100億円以上ある事業者さんの数が、2021年と2022年を比較すると約2倍になっている。グループで提供しているマイクロサービスの中でも『Sechstant(ゼクスタント)』が重要な役割を担っている。ネットとリアルのデータが統合的に蓄積することで、効果的な販促やロイヤリティープログラムの実現に生かすことができる」(マーケティング本部 上席執行役員 マーケティング本部長 斉藤淳氏)と話す。
「Sechstant」はCDP(カスタマーデータプラットフォーム)とMA(マーケティングオートメーション)の機能を併せ持つツールだ。例えば実店舗でしか購入していない顧客にシナリオメールを配信したり、ECと実店舗の購買情報を統合分析することで在庫予測に役立てたりできる。ワン・トゥ・ワンマーケティングでは、メールだけではなくLINEやアプリ通知などチャネルを横断した施策にも対応している。
▲広がるマイクロサービス群 メディアコマースやECモール構築がトレンド
最近のトレンドとして、メディアコマースやモールサイトの構築が増えているという。
「メディアコマースでは、SHIPSさんやコーセーさん、シャトレーゼさんなどジャンルを問わず取り組みが進んでいる。当社では昨年、メディアコマースのCMS『UNITE(ユナイト)」を提供したり、デジタルマーケティングの部隊が運営を支援したりしている』(同)と話す。
ANAやパルコなど大手企業のモールサイト構築も支援している。
「ユニークな事例だとカネカさんという大手総合化学メーカーが、全国のパン屋さん向けのモールサイトを構築するのを支援した。モールサイトの構築を支援できる国内企業は限られており、当社に話をいただけるケースが増えている」(同)と話す。
今後も時流に合わせてマイクロサービスを進化させるとともに、200人を超えるデジタルマーケティング人材によるマーケティング支援など人的サポートも強化していく考えだ。