2023.04.25

アパレルECサイトの機能が購買に与える影響をレポート 「商品検索」「お気に入り登録」利用促進でCVR改善

「テクノロジーで、人と企業が高め合う関係を作る」をミッションに、CRO(コンバージョンレート率最適化)のためのプラットフォームを提供するSprocketは4月25日、アパレルECサイトのユーザー行動を分析し、サイト機能の利用率と購買に与える影響に関するレポートを公開した。「商品検索」や「お気に入り登録」の活用を促すことがポイントになることがわかった。

Sprocketは、オンライン上のユーザー行動をリアルタイムに解析し、ユーザーごとに最適なコンテンツを最適なタイミングで届けるCRO(コンバージョン率最適化)プラットフォーム「Sprocket(スプロケット)」を運営している。

一般的なECサイトに欠かせない機能といえば、「商品検索」や「お気に入り登録」などがあるが、あることが当たり前になっているこれらの機能は購買に与える影響がわかりにくいとし、ECサイトの標準的な機能がどの程度購買に影響を与えているのかを調査・分析した。

Sprocketの提供するCROプラットフォーム「Sprocket」は、サイト上のユーザーの行動データを計測でき、同社ではその行動データを分析し、顧客にとって望ましいオンライン体験の構築に取り組んでいる。今回は、「Sprocket」を導入し、アパレルECサイトを運営する8社を対象に、2022年7月~2023年1月のWeb行動データと購買データを解析。商品の「非購入者」と「購入者」で「商品検索」機能と「お気に入り登録」機能それぞれの利用率にどのくらい違いがあるのかを分析した。



その結果、非購入者と購入者における「商品検索」の利用率は、最小でも約3倍、最大では約10倍の違いがあることがわかった。さらに「お気に入り登録」の利用率はより差が大きく、最小で約10倍、最大で46倍もの違いがあった。



上記の結果から、機能の存在とそれを活用するメリットを訴求することで、機能の利用率を高め、購買にもつなげられると考えられるとした。元々買う気のあるユーザーが「商品検索」や「お気に入り登録」といった機能を活用するのは当たり前とも言えるが、機能の利用が購買行動にも影響を与えている可能性があるとしている。

次に、前述の8社のアパレルECサイトを対象に2022年10月~2023年1月のWeb行動データと購買データを解析し、サイト機能の利用が購買行動に与える影響を調査した。サイト機能の利用を促進するため、「Sprocket」ではポップアップを利用したWeb接客施策を実施している。



Sprocketがこれまで手がけたアパレルECサイトにおける施策の平均勝率は約40%。今回の分析では、施策の非表示グループと表示グループを比較してA/Bテストを行い、購入完了率が改善できた場合を“勝ち”と定義した。実行施策数のうち勝ちとなった施策数の割合を勝率としている。

「商品検索」の利用を促進する施策では、勝率は62.5%と平均値を大きく上回った。購入完了の平均改善率は127%だった。「お気に入り登録」の利用を促進する施策の勝率はさらに高く85.7%。購入完了の平均改善率は104%だった。

これらの結果から、「商品検索」や「お気に入り登録」の利用を促進する施策の勝率は高く、結果的に購買にもプラスの影響を与えていることがわかった。
ECサイトに標準的に備わっている機能がコンバージョン改善のポイントになり得ることは見落としがちであるとし、自社サイトの機能利用率をしっかり確認し、伸ばせる余地がないか検討することを提案している。




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