2023.03.30

国民生活センター、若者からの起業・副業トラブルの相談増加 「副業サポート契約」の解決困難事例が目立つ

国民生活センターは3月22日、「消費生活センターにおける解決困難事例の研究」の一環として、「起業・副業をめぐる消費者トラブルの被害救済」の調査報告を発表した。
 
起業や副業をめぐる消費生活相談は、20代の若者を中心に増加傾向にある。中でも、「副業サポート契約」について解決が困難に陥る事例が目立つ。



例えば「転売ビジネス」「マルチ」などで、もうかるまでサポートすると話し、30万~200万円のコンサルティング料で契約。その後、解約したいと申し出ても相手が応じなかったり、連絡が取れなかったりして、トラブル解決が困難となっている事例もあるとした。



アンケート調査は、全国の消費生活センターや担当課に対してメールで行い、有効回答率は83.6%だった。結果を踏まえ、「あっせんに非協力的な事業者への対応は決済関係事業者への対応要請と繰り返しの連絡が重要」「あっせん不調時の対応は弁護士や弁護士会、弁護団、警察、国民生活センターADRにつなぐことが重要」とまとめた。
 
一方、解決につながった事例も挙げ、大阪市消費者センターでは、自治体の条例や消費者保護条例をもとに、協力しない事業者に対して「出向通知書」「要請通知書」を出してあっせんに応じるよう努めている。しかし、自治体ごとに条例が異なり、大阪市のような対応ができる自治体が少ないという。
 
国民生活センターは今後の被害救済に向けて、①あっせんに非協力的な事業者への対応など、ノウハウの共有 ②弁護団やADRなどへのつなぎ、特商法などの事業者指導部門との連携――が重要とした。また、連絡がつかない事業者への対応は、警察や金融機関の協力、SNSのアカウント情報の開示に期待している。

センター同士の情報交流や、他のセンターの例を参考にした取り組みも重要としている。





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