2023.03.15

アスクル、花王グループとプラスチック容器の水平リサイクル実証実験を開始 EC配送スキームを活用しコスト削減

アスクルはこのほど、花王プロフェッショナル・サービスと共同で、事業者の使用済みプラスチックの排出から回収、水平リサイクルによる再生製品化、販売までのリサイクルバリューチェーンの仕組みをECの配送スキームを活用しコストを抑えて構築する実証実験を開始した。水平リサイクルに適した回収方法を確認し、品質の優れた再生プラスチックを製造することで、事業者における使用済みプラスチック製品の水平リサイクル促進を図り、プラスチックの資源循環の推進を目指す。

アスクルは、BtoB最大規模のEC顧客基盤と独自のEC物流という強みを活かし、バリューチェーン全体を資源循環型に進化させて使用済み製品などの回収・再資源化を促進し、限りある資源の有効活用を推進することを目指し取り組みを進めている。

このほど、事業者における使用済みプラスチック製品の水平リサイクルを促進するため、ECの配送スキームを活用し、事業者の使用済みプラスチックの排出から回収、水平リサイクルによる再生製品化、販売までのリサイクルバリューチェーンの仕組みを構築する実証実験を開始した。ECの配送スキーム活用による低コストなリサイクルバリューチェーンの構築を目指す。

本実験は、花王のグループ会社である花王プロフェッショナル・サービスと共同で実施するもので、回収オペレーションの課題抽出と確率、配送品質の検証、再生原料を使用した容器の再生型と評価、商品化への検討、コストの検証を行う。対象店舗は大手飲食店チェーンで、店舗で使用する花王の「ハンドスキッシュ アルコール消毒剤」対象に実施する。期間は2023年2月21日~2024年2月20日の予定。

実験ではアスクルが、提供事業者が各店舗で保管していた対象商品の使用済み容器の商品配達時における回収とアスクルの物流拠点への集約。使用済み容器の回収について、店舗・個数の記録と情報管理、洗浄状況、分別状況の確認と花王が指定する事業者への引渡しを担当する。



一方、花王プロフェッショナル・サービスは、リサイクルされた樹脂を使い、容器に再成型・最適な配合・安全性を評価し、商品化を検討を担当。提供事業者は、使用済み容器のルールに沿った分別・保管と、アスクル商品の配達ドライバーへの引渡しの役割を担う。

2022年4月の「プラスチック資源循環促進法」施行に伴い、企業におけるプラスチック製品の廃棄削減への対策は急務となり、事業者のプラスチック資源循環への取組みの重要性はより一層高まっている。

一方で、プラスチック製品の水平リサイクルについては、バージン材による商品製造よりも商品製造コストを上げないためのスキーム構築が最大の課題であるが、これを解決するには回収運搬コストを抑えること、単一素材での資源回収を実現すること、汚れや異物の混入を防止することなど複数の条件を満たすことが要求され、単独の事業者でこれらを実現することは難易度が高いのが実情だった。アスクルと花王は、これらの課題を解決し、資源循環型社会の実現を目指すため、共同して本実証実験の実施に至ったとしている。

アスクルはこれからも、持続可能な社会の実現に向け、サプライチェーン全体の資源循環を促進し、環境保全や社会課題解決を考えたサステナブルな「エシカルeコマース」サービスを提供していく考えを示した。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事