2023.03.12

68.5%が「チャネル拡大を検討」 IRISデータラボが現役EC運営者の実態を調査

LINE向けネットショップ作成サービス「Atouch(アタッチ)」を提供するIRISデータラボはこのほど、現役ECサイト運営者男女200名を対象に実施した「ECサイトに関する実態調査」の結果を公開した。約7割のECサイト運営者が販売チャネルの拡大を検討していることなどがわかった。

IRISデータラボは、2022年12月2日~12月7日、現役ECサイト運営者を対象にした「ECサイトに関する実態調査」を実施した。全国の20代~60代男女の現役ECサイト運営者を対象とした調査で、200名から回答を得た。

現在運営しているECサイトの種類をたずねた問いでは、「自社(独自型)」が最も多く83.0%だった。次いで「モール(テナント型)」が19.5%、「モール(マーケットプレイス型)」が13.5%という結果となった。複数の種類のECサイトを運営している人は19.5%だった。



現在運営しているサイトの種類を選定した際の決め手をたずねたところ、「初期費用が安かった」(40.5%)が最も多く、僅差で「月額費用が安かった」(37.5%)、「システムが簡単そうだった」(35.5%)が続いた。上位2つを費用面に関する内容が占めており、イニシャルコスト(初期費用)が安いことがランニングコスト(継続費用)よりも上位に来ていることが分かった。



複数の種類のECサイトを運営していると回答した人に、複数の種類のECサイトを運営するうえでメリットと感じることをたずねたところ、「新規顧客を獲得することができた」(69.2%)が最も多く、「それぞれのサイトでキャンペーン等を利用できた」(59.0%)、「モール休止等のリスク回避をすることができた」(35.9%)と続いた。



現在のECサイト運営に関する課題をたずねた問いでは、全体では「サイトへの集客」が62.0%と最も多く、「新規顧客獲得」(56.0%)、「既存顧客の継続」(37.5%)と続いた。「課題はない」と答えた人は11.5%で、全体の9割近くの方が課題を抱えていることが判明した。



多くのECサイト運営者が、集客や顧客の獲得において課題を抱えているようだとし、前問で複数の種類のサイトを運営するメリットとして、「新規顧客を獲得することができた」と多くの人が答えていることを受け、それぞれのサイトにおける顧客層の違いをうまく利用して、新しい顧客を獲得することがECサイトで成功するための秘訣かもしれないとの意見を述べた。

販売チャネルの拡大を検討しているかをたずねたところ、68.5%が「拡大を検討している」という結果となった。拡大を検討している理由は、「既存のチャネルでの売上増加に限界を感じているから」が最も多く53.3%、「既存のチャネルでは広告費がかさみすぎるから」が32.1%、「リピート施策が打ちづらい(効果が出にくい)から」が27.0%だった。



過去にECサイトで行った施策でうまくいったもの、失敗したものをたずねた問いでは、うまくいった施策では、割引施策とSNS施策、顧客対応施策が多く見られた。割引施策では「ポイントバックキャンペーン(30代男性)」「アプリクーポン配信(40代女性)」、SNS施策では「Twitterで若手アーティストとコラボす(30代女性)」「LINEとの連携(50代男性)」「SNSなどのマーケティング広告を積極的にする(30代男性)」、顧客対応施策では「新規顧客にお礼のメールをしっかり送る(50代男性)」「登録者へのメルマガ配信(50代男性)」などの声があった。

一方、失敗した施策には、広告施策と割引施策が多く見られた。広告施策では、「広告宣伝費をかけすぎたため赤字(40代男性)」「紙媒体での宣伝は効果が低かった(40代女性)」「特典をつけすぎてコストがかかった(50代男性)」などの声があった。

また、うまくいった施策でもあがった「割引施策」に関しては、「クーポン配布をした際に、やや赤字になってしまった事(30代女性)」「他社との価格競争。売値を下げて、売上を増やした事(50代男性)」などの声があり、成功する施策と失敗する施策に大きな差があるようだとした。

SNS施策や顧客対応施策については失敗した施策ではあまり見られず、丁寧に準備し、丁寧な顧客対応をすることで、よりよいECサイト運営ができるかもしれないとしている。




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