2023.01.20

ライフェックス、「化粧品のEC購入に関する調査」を実施 初めて買う化粧品も約6割が「実物を確認しない」

EC、D2Cのマーケティングプロデュースを手ライフェックスがけるライフェックスはこのほど、全国の18代~60代の女性を対象に「化粧品のEC購入に関する調査」を実施し、その結果を公開した。初めて買う化粧品をネットで購入する前に店舗で実物を確認しない人が、半数を超える約6割いることなどがわかった。

一般の口コミを装い、インターネットやSNSで商品などを宣伝する「ステルスマーケティング(ステマ)」と呼ばれる手法について、消費者庁が法規制の検討を始めることがわかるなど2022年のEC業界は法規制が次々と強化された。こうした状況を受けライフェックスは、日頃ECで商品を購入をする消費者はどのような消費行動をしているのか、またSNS上での口コミによる影響や広告への理解度を把握するため「化粧品のEC購入に関する調査」を実施した。

1回目の調査(2022年12月28日実施)では、ECサイトで化粧品を購入した経験のある全国(北海道・沖縄を除く)の18歳~69歳の女性2000人に「化粧品をよく購入する場所」をたずねた。その結果、「ドラッグストアで購入」が57%ともっとも多く、次いで「ネットで購入」が38%だった。



上記調査で「化粧品をよくネット購入する」と答えた人に対し、改めて追加調査(2023年1月6日~7日)を実施した。「初めて買う化粧品をネットで購入する前に実際の商品を店舗等で確認しましたか?」問いでは、「店舗で確認しなかった」が60.3%と、半数を超える人が店舗で実際の商品を確認しないことがわかった。



「事前に確認しなかった」と回答した人を世代別に分類すると、若い世代ほど事前に店舗で商品などを確認した上で購入に至っていることが見てとれるとしている。



上記の問いで、店舗で商品を確認せずネット購入に至った消費者に対し、その理由を尋ねた問い(複数回答)では、「公式からの情報(サイトやSNS等)が充実していたから」が56%ともっとも多く、「友人やクチコミなどで評判がよかったから」が35%と続いた。3位の「メディアで紹介されていたから」は、14%に留まった。



「SNSでの著名人や友人などの口コミ」が購入の決め手になったと回答した人に、「著名人や友人などの口コミを参考にする際、その口コミはPR(広告)でしたか?」とたずねたところ、約70.8%が「PR(広告)ではなかった」と回答した。「PR(広告)だった」と回答したのは4.9%、「どちらかわからない」が24.3%だった。



「SNSでの著名人や友人等の口コミがPR(広告)であったとしても購入しますか?」の問いでは、「購入する」と回答した人は19.8%だった。およそ8割がPRであれば購入しないと考えていることがわかった。世代別で見ると、10代は30.8%が「購入する」と回答しており、より若い世代のほうがPRと自覚していても購入する人の割合が多いことがわかった。



ネット購入でよかった体験を自由記述でたずねた問いでは、「実店舗で購入するよりも安かった」「価格が比較できる、評価がわかる」「購入の手間がない、欲しい時にすぐに手に入る」「地元では取り扱いがなく購入できない商品でも手に入る」の4つに分類できる回答が多数寄せられた。

反対に、ネット購入時の失敗な体験を自由記述でたずねたところ、「思っていたイメージと異なった」(画像と違う/使用感がちがう/色味や匂いが違う)という回答が大半だった。また、化粧品という商材特有の「肌に合わなかった」という回答も見られました。

ライフェックスでは、本調査の結果を踏まえ、「データと支援実績から読み解く 2023年のCRMのトレンドはこれだ!」と題した座談会形式のセミナーを開催しており、その際に交わされた意見を元に総評を公開した。

ネットでよく化粧品を購入する消費者のうち、商品を事前に店舗などで確認せずネット購入した理由が、「公式からの情報(サイトやSNS)が充実していたから」が56%と最多だったことについて、公式からの情報を第一に見ているという消費者の行動は、意外に見落としがちな視点であるとし、ECの場合、広告やLPに投資をしがちな傾向がどうしてもあるが、消費者は公式のブランドから発信される情報を正確に掴もうとしているとことが。この結果から見て取れるとの見解を示した。

「SNSでの著名人や友人などの口コミ」が購入の決め手になったと回答した消費者に対し、その口コミがPR(広告)だったかを尋ねた質問には、SNS上でのインフルエンサーなど著名人の口コミがPRかどうかに対し、自覚的かを確認したい意図があったとし、約71%が自覚的だった反面、どちらかわからないが24%の回答であったことが、PRだとわからず口コミを信じて誤認につながる可能性を残している可能性を示唆しているとした。

ネット購入時の失敗体験を尋ねた設問では、回答にテキストマイニングをかけたところ、「違う」というワードが多数あった。化粧品については、効果効能に対しての期待値とズレが生じやすいという特性はあるが、過剰に盛ったLPや商品画像に影響を受けた期待値と実際に届いてからの印象に乖離を与える可能性もあるかもしれないとした。こうしたずれを購買前に埋めていくため、店舗とデジタルを融合したオムニチャネル化が加速するなど、購買前の体験価値が今後ますます求められるとの考えを示した。

デジタルネイティブと言われる若い世代が増える中、情報を比較検討し、慎重にネット購入をする傾向が見て取れるとし、広告一辺倒なコミュニケーションではなく、より1人ひとりの趣味趣向や行動データに合わせた、誠実なコミュニケーションがEC事業者にも求められるとしている。




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